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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 本好き魔女の不思議な図書館 キャラ絵描いてみた ( No.107 )
- 日時: 2010/11/06 01:04
- 名前: 白魔女 (ID: D0RCrsH7)
十三話・面白い本?
「ティ〜アさ〜ん。新しい本、届けに来ましたよぅ〜?」
赤いワンピースをひらひらさせながら、谷津田 玖未子はティアのそばに本の山を乗せた。
「あー、うん、ありがとうクミちゃん」
「棒読みですねぇ……その本、そんなに面白いんですかぁ?」
白い、ふんわりとした髪の玖未子が、ティアが読んでいる本に、顔を近づける。
「うん、結構面白いよ。主人公の子が特にね」
「ほぅ、どれどれ」
挿絵には、翼とミーナとルーフが三人並んで歩いている様子が書いてあった。ティアが、翼を指差す。
「今までにないタイプの主人公でね……。誰かが傷つくのが嫌いで、本の中の人間でも、襲われるようなら物語が進まなくていいって思ってるのよ」
「それはまあ……性格的には、いい人でしょうけど、それまずくないですかぁ? ちゃんと、本の説明はしたんでしょうねえ?」顔をしかめながら、玖未子が訊く。
「えーっと、物語を終わらせたら、本から出られるって事くらいかしら」
「……どうなっても知りませんよ?」
あきれた声で、玖未子が言い放った。ティアがクスリと笑う。
「大丈夫だって。いざとなれば、ちょっとくらい規則破りでも本に魔法かけるし。それに、コイツはそんなにひ弱じゃない」
「どうしてそんなこと、言えるんですか?」
玖未子の問いかけに、にたりと笑いかける。
「魔女の勘、かな」
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