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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 本好き魔女の不思議な図書館 キャラ絵描いてみた ( No.89 )
- 日時: 2010/10/04 21:06
- 名前: 白魔女 (ID: 4fZ9Hn2K)
九話・ルーフという少女
結局は、あそこでダルトの実を手にして良かったのかもしれない、と翼はルーフの後ろを歩きながら思っていた。
ダルトの実を食べようとしたから、ルーフに会えて、そこからまた物語が展開していく。俺の行動一つで、物語が180度展開したりするんだから、慎重に、慎重に——。
「私の街では、魔術師がたくさん住んでいます。それは、この国一番の有名な魔法学校があるからです。私はそこで5年生として、立派な魔術師になるべく、勉強をしているのです」
「あ、私、その学校知ってます。たしか、ルーヴィナ魔法学園でしたっけ……? でも、あそこにはエリートの中のエリート達が集まっていると聞いてます。あなたの年齢で、あの学園に——?」
「えぇ、まあ、そうです。魔術って、努力もそうなんですけど、生まれつき特殊な能力を持っている人もいるんですよね。つまりは、そういうことなんです——」
「特殊な能力? 凄いですね、ルーフさんて!」
話についていけない翼だったが、二人の会話でとにかく、ルーフが凄いってことが分かった——あまり怒らせたりしないようにしよう、うん。
「ほら、見えてきましたよ。あれが、ルーヴィナの街で、真ん中のがルーヴィナ魔法学園です」
ルーフの指差すそこには、大きな外壁に囲まれた大きな街があった。そして街の中心部には、大きな城とも呼べる建物が、空にぽっかりと浮いていた。時計塔が空に向かって大きく突き出したその建物こそ、ルーフの通うルーヴィナ魔法学園だった。
「すげぇ……」
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