ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 本好き魔女の不思議な図書館 キャラ絵描いてみた ( No.90 )
- 日時: 2010/10/05 19:22
- 名前: 白魔女 (ID: 4fZ9Hn2K)
「すげぇ……」
「翼、ここに来てそればっかり言ってますね」
ミーナに指摘されながらも、翼はどうしても「凄い」だとか感嘆の言葉がどうしても口から漏れてしまった。
街は黒いローブを着た人がたくさんいた。黒い帽子や、黒いマント。ルーフに訊くと、それがルーヴィナ学園の制服のようなものらしい。街のいたるところに不思議なモノが売っている店があった。箒にも種類があるらしく、古めかしい箒を見て、ルーフが「これ欲しいのですよね…」と小さく言ったのを翼は聞き漏らさなかった。
もちろん、カエルの干物や、トカゲの尻尾。他にもよくわからない目玉などが売っている店もあった。必死に吐き気を堪えるが、ミーナも同じらしい。
「授業の材料として買うことが多いのです。魔術師なら夕飯の買い物をするようにこういう物も買います」
ルーフが色々と教えてはくれるが、あまり耳には入らなかった。
ルーフの家は、アパートの3階だった。両親は遠くの村で暮らしているらしい。ルーフは一人、魔術の勉強をするためにここに移り住んできたそうだ。
「さぁ、どうぞ入ってください」
——といわれても。部屋は台所とトイレと風呂、それ以外に一つの部屋しかなかった。その部屋もたくさんの本や、魔術の材料で床が見えない。
ルーフはダルトの実を入れた籠を台所に置き、部屋を簡単に片付けた。なんとか3人は入れる場所が出来る。
「すいませんねえ、汚くて。ちょっと片づけが苦手でして……」
片付けとかの前に、まずこの本の量は片付けられる量とはいえない気がする。
「しばらくここで休んで、後で街を案内しますね。旅を始めたばかりのようですし、食料などを買うといいですよ。保存も効くやつを——」
ルーフがそういった瞬間、二人の脳裏にあのトカゲの干物が出てきて頭からサーッと血の気がひいた。
「だ、大丈夫ですよ! まともな食料だって売っています」
「そ、そうなんだ……」
とは言ったものの、この街のまともが翼には心配だった。