ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 本好き魔女の不思議な図書館 キャラ絵描いてみた ( No.94 )
日時: 2010/10/07 18:24
名前: 白魔女 (ID: 4fZ9Hn2K)



 真正面から見れば、その大きさがよくわかる。翼が映画などでよく見る、大きなゴシック風の城だ。白いピカピカの大理石の階段は、宮殿へと自分達を誘っているようだ。

「ホント、すごいところですね……」

「そんなにすごくないですよぅー」

 照れてるのかよくわからない仕草で、ルーフが頭をかく。


 長い長い階段。しかし、思っていたより結構早く上へ着いた。しかし、翼があらため地上を見下ろすと、その高さに身震いした。やはり、魔法学校だけあって階段にも魔術か何かがかかっているのだろう。

 階段のを上りきるとすぐそこには小さめの広場があり、真ん中には噴水があった。そして奥に、大きな門構えがある。


「ここの学校って、何もかもが大きいんじゃないのか?」

「えぇ、たまに巨人も通いにきますから……今日はいませんよ、そんな、構えないでください」

「えっ、あ、そう……」

 戦闘状態を解いて、扉の向こうへ足を進める。そこにはまた、広場があったが、中庭のようなもので、たくさんの扉が広場を囲っていた。


「この大きさですから、教室も多いのです。迷子にならないように、してくださいね」

 学生はまだ何人かいた。ベンチで本を読んでいる人、恋人と楽しく遊んでいる人、小さな子供から大きな大人まで、同じ黒いローブを着込んでいる。

 しかし、やはり翼が目を見張るものといったら、魔術だ。子供は魔術で友達を浮かばせたり、仲良く歩く恋人の足もとのところには絶えず花が咲いた。 
どれもこれも、翼の現実世界とはかけ離れたものだ。


 しかし、それと同時に、これは翼自身が求めていた世界のような気がした。

 魔術が日常的に使われる、しかしどこか不思議な世界——。