ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: ナイト☆スター ( No.2 )
日時: 2010/08/03 12:11
名前: 原画 ◆PZGoP0V9Oo (ID: AFVnreeh)

一話

 それは、始まりの日だった。あの日につながる、全ての始まり。


 非凡な友人と、平凡な僕。友人は、何をしても一番。僕は、頑張ったって普通よりちょっと良いくらいだった。
テストをすれば、彼は百点。僕は八十点(頑張っても八十五点)

誰もが彼を羨み、それを誇りに感じていた彼。
そんな友人が僕たちの前から、姿を消した。

最後に目撃されたのは、廃屋。
小学生のころ一緒に遊んだあの廃屋で、姿を消した。

三週間後には、警察の捜査も終了した。
彼の親から、うちに電話がかかってきた。

「あの子は ——死にました」

警察の判断は、『死亡』 彼が死んだ——

信じられなかった。信じたくなかった。

泣き、叫び、僕は家を飛び出した。あの廃屋に向かって、走った。彼への手がかりがあると信じて。

頬を涙でぬらし、商店街や、見慣れた歩道を走りぬけた。そして、一時間。

あの廃屋に着いた。所々板がはがれ、今にも倒れそうな、あの廃屋。

昔遊んだ、あの廃屋。

思い出の廃屋に、僕は足を踏み入れた。