ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 激動  ( No.20 )
日時: 2010/08/17 21:31
名前: 黒猫 ◆tZ.06F0pSY (ID: 8I/v6BBu)







「…シオン、今の見たか!?」
「あぁ、確かに見た」

と、そんなセツラとリリィの背中を見つめる二人組が居た。彼らの傍らには黒いバイクが停車してあり、たくさんのガラクタが積まれてる。
「ふっふ、商売人魂が燃えるってやつだよなぁ?この目撃情報…MBAにいくらで売れるかな!?」
ゴーグルをつけた青年は不敵に笑い、指を折って何かを数えていた。傍らでそれを見守るもう一人の紅髪の青年は、呆れ口調でこう言う。

「ジャック…、お前“情報屋”でもないクセにそう言う危ない橋を渡ろうとするよな。あくまで自分が“売人”だという事を忘れるなよ?俺はマシナリー(機械)からお前を守る事は出来るが、法律とMBAからは守ってやれねぇぞ…」

「HAHAHA!No problem!あくまでこれも商品さ、情報っていう名のな。——俺様をただの売人だと甘く見ない事だな!結構名の知れてる野郎なんでね」
「……」
『本当に大丈夫かよ…』と、シオンと呼ばれた人物は腕組みをしながら溜息をつくが、ジャックという少年を止めようとは思わなかった。

そして、ジャックは再度不敵に笑うと、MBA本部に違法回線を瞬時につくり…電話をかけた。一般人はMBA本部に連絡をかける事が出来ないためだ。

電話の回線がつながると、ジャックは不敵な笑みを絶やさないまま、こう言った。


「おっはよーございます、MBAサン♪“Jの売人”ですよっと。———たった今、見ちゃったんですよねぇ、貴方方が追っている『ZENO』って機体を。この情報を5万$で買ってくれるなら、無料でおまけの情報も教えちゃいますよォ?」———…