ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 激動 ( No.32 )
- 日時: 2010/08/24 14:12
- 名前: 黒猫 ◆tZ.06F0pSY (ID: 8I/v6BBu)
「…誰が怒鳴ってるかと思えば…エリー、煩いぞ」
と
何時の間にか側にいた男は、私を見下ろしながらそう言っていた。私は突然話しかけられた事にドキッとしたが、一間置いてその男をキッと見た。
「———ふんっ、何よグレン!戦闘戦争って…貴方も馬鹿馬鹿しいと思わない!?こんなの間違ってる!でも、その事に気付かない人間ってもっと馬鹿!なのに自分がその人間だと考えたら、もう溜息しか出ないわ…」
最初は勢いずいてそう言ったが、段々弱々しくなりながら私は言った。
そう、この男が“グレン”。ファミリーネームは…知らない。グレンは初めて合った時からグレンであって、まぁその…グレンはグレンだ。
「しかしでかい声だな、お前はもう少しお淑やかさをだな…ブファ!」
「煩い、余計なお世話!…もうっ、何なのよグレンまで私を敵にしてッ!」
私はふくれながら、グレンにアッパーを喰らわせると、バッとその場から走り去った。
———本当に、皆オカシイと思わない訳!?戦争なんて、ただの殺し合いなのに…。じゃあ、本当の平和って、何?たくさんの犠牲を払って手に入れるものなの?必ずしもその犠牲はその平和にも付きまとってくる。皆が皆幸せで平和に暮らせるかと言えば、そうではない。それは絶対。なのにそれを追い求めるだなんて、馬鹿。呆れてものも言えない。
「……もう嫌…!何でなのよ、何で気付かないの!?」
気が付けば、私は町はずれの丘に来ていた。遠くには、沈みかけの太陽だ見え、さらにその紅色に染まった海までもが見える。
…、
だったら、皆が気付かないなら———私が気付かせてあげるんだから…!
「——おいっ…!何処まで走るんだ、疲れただろっ…!」
「……ねぇ、グレン」
と、ここでようやくグレンがやってきた。そして、私は振り返らぬまま、グレンに尋ねた。
「私…決めたの。この馬鹿げた戦争を終わらせる。そして機械も、人間も争わないような、安心して暮らせる世の中にする。でも、機械は今もなお暴走を止めない——…」
「……」
グレンはそれを、黙って聞いていた。
「私、“あの粉”をつくった人を探すわ。機械の動きを封じる事のできる、あの粉を」
「…“ラース・ヴライエッド”、か?奴は今どこにいるか分らないんだぞ」
「でも———私にはそれしかない!」
機械が暴走を起こし人間と戦争を起こすのなら、まず機械の動きを封じればいい。そして、機械の暴走の原因を突き