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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: モザイク —心壊兄弟と×××— ( No.13 )
- 日時: 2010/08/21 17:40
- 名前: 出雲 (ID: QuEgfe7r)
《4》
—汚い、触るな、穢れる、存在が曖昧で—
「おい!」
俺は鼻血を服の袖でふき取りながらヨタヨタと要に近寄った。
うぇ、紅い、赤い赤い赤い赤い赤い赤い、血だ、血だよコレ、気持ち悪い、穢れてる、あああああ。
輝石 ハル—血がトラウマです。
「要!」
俺が自分に近寄ってきたことに気付いたのか、発狂しながら要は後ろへ下がった。
うわ、なんか悪いことしてる気分。
多分さ、俺こういう時にどうしていいかわからないんですね、多分。
とりあえず目の前に屈んでみた。
要と同じ目線になる。
「大丈夫ですか_」
今頃いつもの敬語口調。
おい!とか言った後に無理がある気がするけど、これがいつもの自分なので、多分。
というか、俺が大丈夫じゃないです。
「どこか、怪我してませんか?それと、あの、何かされたりとか…」
美少女は何かと襲われてそうなので。
要はまだ怯えたような顔をしながら、身体を丸めて首を横にフルフルと振る。
あ、可愛い動作だ、多分。
こういうのヤンデレっていうのかな、萌えるねー、多分だけど。
そういえば、もう兄貴出前頼んじゃったかな。
「えっと、家は…」
とりあえず、放置するわけにもいかないので家に送らないと。
「 」
というかこの子何しに来たんだろう、パジャマだし、髪ボッサボサだし、寝起きですか?
しかも、不登校なのに。
もうこんな気持ち悪い病み病みハルさんには何も言ってくれないか、諦めかけたその時でした
多分ね。
「家、帰る」
反応アリ。
「送りますよ、どこですか?」
優しく微笑んでみた、病み病みハルさんは笑えてるだろうか、ニヤニヤハルさんになってないだろうか。
「あっち」
あっちか。
—存在を消したくて、しょうがない—
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