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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: モザイク ( No.4 )
- 日時: 2010/08/19 14:52
- 名前: 出雲 (ID: QuEgfe7r)
《2》
—心が時間につれて崩れていく、壊れていくから—
財布を片手に家を出た、俺。
コンビニまでは少し田舎っぽい田んぼ際の道を真直ぐ進む。
こんな時間に外でブラブラしている高校生はいない。
というかいちゃいけない。
「暑い…」
のんびり歩いていた俺は帽子も何もかぶっていないおかげで頭に焼けるような暑さがふりそそぐ。
「あの日も暑かったな、多分」
あの日—
暑かった、確か。
クーラーもなくて、電気を止められてて扇風機は廻らない。
水も止められてて水道の蛇口からはいくら捻っても何もでてこない。
意味を成さないじゃないか。
「兄貴か、」
こんな暑い中、弟の為に。
俺とナツ兄貴の為に窓から抜け出して、兄貴は遠くの公園まで水を汲みに行ってくれた。
そうだ—
外にも出れなかった、鍵がかかってていくら三人で力をいれても開くことは無かったし。
でもあの日は残念なことに、窓を閉め忘れてった。
アイツが—
そのせいで、兄貴はまた傷を増やすことになってしまって、俺たちは大丈夫だったのに。
水なんてなくたって—
死んだって—
「あ」
そんなことを思い返していたら目の前にはコンビニが立っていた。
でも、一つだけいつもと違ったのは。
田舎らしく、でも今まではなかったんだけど、不良がたまってたところ。
「 」
それに大事なことがもう一つ。
知ってるような感じの女の子、多分。
要 いつか—
彼女がその不良の輪の中心にいたこと。
—心壊兄弟—
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