ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 白夜のトワイライト うおっ!参照1000いきました!w ( No.133 )
日時: 2010/12/27 17:34
名前: 遮犬 (ID: S19LK/VD)

ディストと白夜、優輝は互いに対面し合っていた。

場所はエルトールの団長室。ディストは団長の席に座りながら微笑み浮かんでいる。


「…説明してもらおうか?」

白夜がディストに声をかけると


「あぁ、そうだったね…。さて…まず最初になんだけど…」ディストはとぼけた感じに語り始める。



第6話:動く政府と反政府




「黒獅子と僕は昔の戦友だったんだ」


「な…!」驚きの言葉をあげているのは優輝。白夜は表情を歪ませることさえしない、無表情だった。


「なら…どうして俺達に居場所を…!」優輝がディストに突っかかろうとしたが


「居場所がわからない…それに、その黒獅子から渡された物…それが関係しているんだろう?」

そこまで白夜がディストの目を見据えながら言う。ディストをそんな白夜に少し微笑み


(さすがは白夜だね…ま、想定内なんだけど…)思いながら少し苦笑し、ディストはまたも続ける。


「白夜の言うとおりだね〜。この渡されたもの、そして居場所がわからなかったんだよ」


「そんなにその物が大事なものなんですか…?」優輝がディストに恐る恐る聞くように言った。


「うん。だってこれはね、トワイライトの設計図なんだもの」



「なっ…!」優輝だけが驚く。何故か白夜は少しも驚いてはいなかった。

そんな白夜の姿を見て少し笑い、ディストは言った。


「白夜、君はもう気付いているんだろう? 僕が元々"何だったのか"を」


「…あぁ」そう白夜は言ってディストを睨みつける。優輝だけ何もわからないような状態だった。



「ディスト…お前はトワイライトの設計者でもあり、トワイライトの適合者なんだろう?」


その白夜の言葉にもう一度笑い、ディストは答えた。


「ふふ…正解なようで正解でないかもしれないね…」


「それを聞かせてもらおうじゃないか?」白夜はまさにこのことを聞きたかったのだとディストは確信する


「僕はね…黒獅子とは裏の存在、僕のアバターコードは"白獅子"っていうんだよ」


「ディストさんが…黒獅子の裏の存在…!?」


「そ、まあなんていうかね…僕はもう一人の黒獅子ってことになるのかな…」


「どういうことだ?」白夜はディストにまた問う。


「いったでしょ? トワイライトの適合者だと…。使用するとリスクがかかるのは君が一番よくわかる」


「なるほどな…お前にかかったリスクは裏と表、その切り離し…クローンみたいなものか」


「ま、そう捕らえてくれればいいかな」ディストは苦笑しながら白夜を見据える。


「そんな…じゃあディストさんも黒獅子…?」


「そうだね…よく言えばそうなるね。優輝君、君の仇は…僕でもあるんだよ」


「…ディストさんっ!」優輝は大きく怒鳴り声を上げて立ち上がった。そして続ける。


「…なんで、俺の家族をぶっ壊したんですか…? 答えてください…!」


その言葉にディストは俯き、手を組んだ。


「ごめんね…優輝君。君のお父さんを陥れた理由は僕にもわからない。全て繋がっているわけじゃない」


「…ならもう一人の黒獅子にきかないといけないってことですか?」


「うん…僕もアイツを止めるために、いや…殺すためにエルトールの団長をしているぐらいだ」


その時、ものすごい殺気がディストが沸いた。目も今までとは違う、とても恐ろしい目つき。


「…それはわかっている。だが何故トワイライトの設計図がお前に手に渡る?」


白夜が冷静にディストに聞く。ディストはいつも柔らかい表情に戻し、答えた。


「もし、罪人に設計図が渡るようなことがあれば、何がどうなるかわからないよね?」

黒獅子はトワイライトを作れるだけの大きな企業を持っている。ま、作れてもせいぜい1個が限度だけど」


「1個って…そんなにトワイライトは…」優輝は改めてトワイライトがどんなものかを知った。


「うん。まあでも未完全なものが一個だと思うけど。完全なものはどこにあるかわからないトワイライト」


(ルト…)その完全なトワイライトの中にルトの意識が眠っているはず、何かがあるはずなのだ。

自分はそのトワイライトを探さなければならない。


「それで…黒獅子は研究所からその設計図を持ち出したんだ。彼は最高研究者の一人でもあったからね。

彼がもっていると危ないと考え、黒獅子に相談を持ちかけた。その条件は…」


「…俺か…」白夜が静かに、ゆっくりと言った。


「自覚はしているんだね…。そう、君に会って話をすること。それが相手の持ち出した条件」


「たったそれだけのことで設計図を…?」


「うん。多分もう設計図は他にコピーしてあるんだろう。それに僕達じゃ作れないこともわかってる」


ディストは優輝に答えてからもう一度白夜を見て続ける。


「黒獅子の目的…それが何かはわからないけど白夜、君の存在は必要不可欠のようだね」


「俺の力…白夜光の太陽と闇の力が欲しいんだろうな」


白夜はそこまで言うと立ち上がった。



「…どうするんだい?」ディストが白夜に聞く。


「決まっているだろう? 俺にはやるべきことが増えた。レトも助けなくてはならない。

…おい、日上」


「な、なんだよ…」優輝は初めて名前で呼ばれたので驚きながらも答える。


「武装警察の案内をして欲しい」白夜は優輝の目を見ていった。



「お…俺に?」初めての頼みごとということもあり、優輝は驚きを隠せない。


「あぁ、お前の力が必要だ。…それと、扉の向こうでコソコソと話を聞いてるやつもだ」


白夜が言った直後、扉がゆっくりと開き


「あはは…バレてましたか…」秋生と春がそこにいた。

ディストは笑いながら思う。


(ふふ…白夜君、君もやっと人を信じることが出来たみたい——)


「お前らは俺のしもべだ。人員も必要だし、しっかり働いてもらうからな」


(…はは、やっぱりそうでもないのかもしれない…)と、ディストはただただ苦笑する。


でも、ディストは一つ思った。


(この少年ならば…やってくれるかもしれない…)

白夜の周りを囲んで微笑む優輝、秋生、春、そしてその中心にいる無愛想な子供、白夜を見て。


(…エデンを…この腐った世を…変えてくれるかもしれない)そう心からディストは思った。そして告げる


「じゃあ…いってらっしゃい、4人共」


「あぁ(はい)!」そして白夜たちは団長室から出て行った。

Re: 白夜のトワイライト オリキャラ様が大量発生いたしますw ( No.134 )
日時: 2010/09/29 20:45
名前: 世移 ◆.fPW1cqTWQ (ID: vMazaPQ6)

白夜が武装警察の仲間入りですかwww

Re: 白夜のトワイライト オリキャラ様が大量発生いたしますw ( No.135 )
日時: 2010/09/29 23:25
名前: 遮犬 (ID: cLZL9WsW)

>>世移さん

いやぁw最近更新してなくてすみませんw

白夜は武装警察に入る気、さらさらないですww
では何のために案内を申し出たのか?

それは武装警察が政府と関わってるからですwはいwここまでw続きは本当にw明日更新いたしますのでw
申し訳ないですw次で明らかになると思いますのでw

コメありがとうございましたw続きを出来るだけ期待しないぐらいにお待ちをb

Re: 白夜のトワイライト オリキャラ様が大量発生いたしますw ( No.136 )
日時: 2010/09/30 17:14
名前: クロ+ ◆EJ0MB3jlw2 (ID: iwg52ulg)

こんにちはーw
武装・・・。

そろそろ「アイツ」が来るかもd

Re: 白夜のトワイライト オリキャラ様が大量発生いたしますw ( No.137 )
日時: 2010/09/30 19:21
名前: 遮犬 (ID: cLZL9WsW)

>>クロ+さん

武装警察に殴りk(ry

そうですねーw次の話からオリキャラ様がどんどん出てきますw
もちろん残月もですよぃb



そして…お知らせですねwはいw
次の話以降、頑張って遮犬は描写などを全身全霊をかけて書き上げたいと思いますw

今までそうじゃなかったのか!といわれると正直返しようがありませんww

今まで、一人暴走していたような感じでしたので…読者さんをおいてけぼりという感じでしたので…


頑張ります上、どうぞ宜しくお願いしますw

Re: 白夜のトワイライト  ( No.138 )
日時: 2010/10/01 00:02
名前: 遮犬 (ID: cLZL9WsW)


大きな外壁、見た目は少々殺風景な様子。だが、存在感はひしひしと伝わってくる、大きな建物。


「…へぇ〜、ここが武装警察のエデン内本拠地かぁ〜」秋生が建物を見上げ、感嘆した声で言った。


「まぁ…俺もここに来るのは数えるほどしかないよ」優輝は面倒臭そうに頭を掻きながらいった。


吹き荒ぶ砂嵐の中で秋生は顔を伏せながら優輝にいう。

「確か…色んなところに支部があるんだっけ?」


「あぁ…んで俺はその5番支部に所属している下っ端さ」


優輝は小さくため息を吐いて建物をもう一度見上げた。


「…入るぞ」

白夜はそんな二人を残して先に行く。その後を春はしっかりとついていく。


「ちょ、ちょっと待ってくれよっ!」優輝と秋生は二人、声を合わせて白夜たちの元へと走っていった。





そんな白夜たちの遠く後ろの彼方では一人の黒いコートを見につけた女性がいた。


冷血な無表情で瞳はダーグブルーに光を浴びている。黒いコートで見えにくいがマシンガンを装備している


「…あぁ、私だ。"月夜"(ムーンナイト)だ。目的の場所へついた。どうすればいい?」

なにやら無線のようなもので話をしている月夜のその傍らで白色のワンピースを着こなす女性もいた。


「…わかった」一言呟いて月夜は無線を切った。その様子を伺うことなく、無表情で女性は黙っている。


氷歌ひょうか、そろそろ準備をしておいたほうがいいよ」


氷歌と呼ばれた白いワンピースの女性は無表情のままただ淡々と

「はい、わかりました」と、月夜に告げた。



武装警察の建物の中はそんなに堅苦しくもなく、また派手でもなかった。


受付があり、そこに数人の人がおり、傍には防衛用の戦闘員数人がおり、奥にはエレベーターがあるぐらい


すると受付のうちの一人が早走りでかけてきた。

「あ! 優輝君じゃないですか!」


そのかけてきた少女は髪の毛の色が少々金髪なのが特徴的な様子で優輝に話しかけてきた。


「あーやっぱり本部のほうにいたんだ? 凛ちゃん」

「はい! 久しぶりですね!」凛と呼ばれた少女は笑顔で返す。どうやら優輝と知り合いのようだった。


「えと…今日きたのは…?」凛が優輝に問う。


「あぁ、この三人がー…えっと…そう! 武装警察に入りたいからって…案内をしに、ね」


「案内ですか? へぇ〜この三人の人が——」凛の言葉を遮り、白夜は図々しく無愛想に前へ出て喋る。


「案内などいらん。お前らの中の一番偉いやつと会わせろ」


初めて入り、初めて会った人に対して一番偉いやつと会わせろといったのは恐らく白夜一人だろう。


「アホかっ! お前はっ! そんな簡単に会えるはず——」

だが、凛から返ってきたのは意外な言葉だった。


「あ、話は伺ってますよ。白夜光さん…ですよね?」


「え? 知ってるの? 凛ちゃん」優輝が白夜を指さしながら驚いた表情でいう。


「私が連絡をしておいたのと…白夜君自体、武装警察の上の方とお知り合いみたいですね」

後から春が笑顔で補足する。春なんでも仕事に対して気が利く方であった。


「じゃあ案内しま——」

その時、大きな震動が白夜たちを襲った。


「な、なんだこれっ!」秋生がしゃがんでバランスを取りながら言う。



「…これは…ッ! 皆さん! 私に早くついてきてください!」


凛が今までとはうってかわり、白夜たいにキツい口調で叫ぶ。


何が起きているのか、全く白夜たちにはわからない。ただ凛について行った方が良いとだけわかった。


「…案内しろ」白夜はさっき言った言葉を前言撤回し、案内を求めた。


それに返すように凛はエレベーターへと導いた。そのエレベーターは大型で何十人も乗れるようだった。





その震動が一体何の前触れなのか。白夜は武装警察に来た理由をもう一度だけ整理する。


ここにきた理由、それは——





「さぁ…始まるよ…白夜光。君は主役なんだから…ふふふ…」

暗い部屋の中、ただ一人黒獅子は微笑み、自らの考えたシナリオを頭に描いて



「さぁ…政府よ。僕たちと…殺し合いをしようか…生き残りを賭けた…ね?」



急速に、時は流れていく。

Re: 白夜のトワイライト  ( No.139 )
日時: 2010/10/01 14:21
名前: 狩人 ◆Puie0VNSjk (ID: /od6a26Q)

ついに黒獅子が出てキターw
楽しみです^^

Re: 白夜のトワイライト  ( No.140 )
日時: 2010/10/01 21:46
名前: 遮犬 (ID: cLZL9WsW)

>>狩人さん

黒獅子は以前ディストにトワイライトの設計図を渡すために出てきましたが戦闘はなかったですねぇw

黒獅子との戦闘はまだ先になる予定ですw

そして…物語は黒獅子率いる反乱軍VS政府といった感じになってきまするw
お楽しみにw駄文ですがw

Re: 白夜のトワイライト  ( No.141 )
日時: 2010/11/03 14:42
名前: 世移 ◆.fPW1cqTWQ (ID: 7zw0g7CO)

久しぶりに来たらかなり下がってますね…。
反乱軍VS政府たのしみにしますw

Re: 白夜のトワイライト  ( No.142 )
日時: 2010/11/03 18:11
名前:   葵 ◆iYEpEVPG4g (ID: NRAsdfzb)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode



ぎゃほー!((
オリキャラ出ました。超嬉しいです^p^

【名前】神矢 翠 / かみや みどり
【性別】女
【アバターコード】witch hunt(ウィッチハンター)
【性格・容姿など】黒髪で黒い瞳。顔はアジア系で小柄。
Aラインの白いワンピースを着ている。見た目10歳くらい。
人間不信で疑り深い。用無しと思えば容赦なく利用する。
政府のやり方が気に入らないので反乱軍になった。


【能力】感情と記憶を操作する事が出来る。
【武器】剣。突き刺されると傷付かないが感情と記憶を操作されてしまう。刺してない間は無効。
それ以外は素手。特に足技が強く、逃げ足が速い。
【サンプルボイス】「あら、こんにちは。」
         「ねぇ、本当は知ってるんじゃないの?こんな事をしたって無駄だって事が。」
         「私は私のやり方で政府を正す。だから、邪魔は奴は゛要らない゛」
         「馬鹿みたい・・・。こんなに必死に何かを守ろうとしたって、結局は何にも出来ないんじゃない。」
【他に何かあれば…】前キャラは元気な感じだったので、今度は冷静沈着キャラです。真反対です。
         

Re: 白夜のトワイライト  ( No.143 )
日時: 2010/11/06 22:42
名前: 遮犬 (ID: cLZL9WsW)

今まで更新ストップしていました><;更新再開したいと思います〜w


>>世移さん

ぐぁ…申し訳ない;描写等の改善のため更新ストップしてたのです。
そうですねーw政府VS反乱軍の戦い的な感じになりますかねw
どうなるのか自分も未知ですがw(ぇ
暇な時に見てくださると本望です;


>> 葵さん

あ、はいwあんな感じでよかったのか自分も疑問ですが…。何か申し訳ございません;
うおw新たなオリキャラwありがとうございませうw

アバタコード…凄まじくいいw是非とも採用させていただきますwありがとうございました><;

Re: 白夜のトワイライト 更新再開 ( No.144 )
日時: 2010/11/13 00:30
名前: 遮犬 (ID: pD1ETejM)

更新、しないとマズいなぁと思って書いて文字制限で一気に俯いた遮犬ですw

てなわけで…更新の無念を晴らすためにも…ちょいと男の子キャラの女体化をww
白夜君たちを二次元女体化すると名前的にはこんな感じになるということですかね…。
後、注意事項ですが…ものすごくキャラ崩壊が激しいですwイメージ壊したくなければ見ないほうがb

では、始めますw(あくまで名前からですので気にしないでくださいbちなみに僕が決めてないですw)


月影 白夜
『服は競泳水着で、つり目で緑髪のショートの両サイド結びで髪留めで照れ屋な感じのキャラ』
うぐっ…いきなり血、吐きかけたwこれwなんていうか…可愛いな…(ぇ

では次

日上 優輝
『服はセーラー制服+スパッツで、つり目で青髪のロングのサイドポニーで
八重歯+おでこ出しで冷徹な感じのキャラ』
え、えぇ〜…w
冷徹な感じってw想像が…wうぐぐwでも見た目可愛いなwセーラー服にスパッツってw

では次

レト
『服は水着+パーカーで、三白眼で青髪のセミロングのポニーテールで巨乳でドMな感じのキャラ』
レ、レトぉおおお!!
衝撃が走ったwwちょ…マジかよ…。
ドMて…wけ、決して本編ではそんなことないのでっ!

では次(次から色々な意味でヘビー級です。心臓にお気をつけて)

橋野 慶治
『服はTシャツ+ジーンズで、たれ目で黒髪のロングで巨乳で妹属性な感じのキャラ』
う、嘘だぁあああああ!!
あのおっさんキャラがぁああああ!!イメージ崩壊だぁあああ!!

はぁ…はぁ…次、行こうか…

ディスト
『服はボンテージで、つり目で橙髪のロングのポニーテールで猫耳+猫尾で寂しがりやな感じのキャラ』
うぐふっ!吐血しましたww
キャラ崩壊、激しすぎる…。なんだか体かゆく、そして萌えるb(殴


では最後に、黒獅子さんをやりたいと思います。


黒獅子
『服は競泳水着で、猫目で銀髪のロングのサイドポニーで犬耳+犬尾でお嬢様な感じのキャラ』
か、可愛いぃいいいいい!!
萌え度が半端ねぇww敵でいたら攻撃でなきないよっ!w
完璧ステータス…。鳥肌が…。


結果。キャラ一同の中では自分は黒獅子さんが一番萌えましたw
次に言いたくはないけども、橋野 慶治…。この結果には残念。

Re: 白夜のトワイライト 更新再開 ( No.145 )
日時: 2010/11/15 03:07
名前: 遮犬 (ID: pD1ETejM)

荒れ狂う風を漂わせる荒野の中、爆撃が起きたことを確かめる二つの影があった。

荒野の真ん中に佇むようにして建つ、一つの大きな要塞を遠く見守るようにして。


「……帰ってきたらこんなことになっているとはな」

見ているだけで思わずため息がついてしまうような言い草をする軍服のようなものを着た男。
その腰にはリボルバーがでかでかと光っている44口径マグナムが装備されていた。

「全く……どうする? レイス」

軍服の男は隣にいる黒いローブを着こなし、頬には不思議なマークが刻まれている男に話しかけた。
その男は、軽く鼻で笑った後、淡々と返した。

「面白いじゃないか、ワイズマン。まさに次世代の始まりともいうべきか」

何やら意味の分からないことを言っているが、その目は真っ直ぐに荒野の真ん中に聳え立つ要塞を見ている
そんな相方の様子にワイズマンと呼ばれた軍服の男は何も言わずに腕を組む。

「……傍観しておく、というのもありだが……さすがに本部が目の前でああなっているからな」

軍服の男、エルンスト・ワイズマンは不気味にくつくつと笑いつつも横にいる相方に話しかける。

「さすがは"軍犬"といわれるだけあるよ。この不純理な戦いに混ざりに行こうか」

黒いローブを着ている男、レイス・マキャベッリはその丘の崖を一気に下ろうとする。
その行動を見たワイズマンは鼻でふっと笑い、

「君こそ好奇心旺盛さは変わらない。さすがは"探求者"と呼ばれるだけある」

一足遅れて、ワイズマンもレイスの後を続いて崖を降りるのだった。

戦いが始まるであろう荒野に目掛けて。




レイスたちが崖を降りている頃、もう反対の崖にも二つの人影が存在した。
一つの影は、ボサボサな頭をし、黒いコートを着ている女顔の男。年齢は20代ぐらいであろうか。
もう一つの影は、子供のように小さい影、赤いフードを被ったいかにも"赤頭巾"といった子供の姿。

「あーやっぱり始まっちゃってるんですね〜!」

呑気な感じに赤頭巾を被った小さな女の子が言った。それに対して横にいる男は微笑を浮かべる。

「ハッハッハ! やっぱりいってみるものだね? 赤頭巾ちゃん?」

赤頭巾というのはどうやら赤いフードを被った女の子のことを示すのであろう。
それに適応した赤いフードを被った女の子は頬を膨らましながら答えた。

「むー! ちゃん付けはやめてくださいっ! 子供扱い禁止ですってば! 不知火さん!」

可愛らしいミニスカをふりふりとさせつつ、不知火という名を呼んだ。

「あはは、ごめんごめん。……さて、と。どうする? 七姫ちゃん?」

「名前で呼ぶとかもっとダメだよ〜!」

アバタコード、赤頭巾こと阜 七姫(ぎふのふ しちひめ)は子供のように反論する。
その姿を見て、思わず不知火は笑みを浮かべてしまう。

「行くよっ! それが任務なんだしね」

七姫は自分の能力である七国靴を発動させる。
七国靴は空中浮遊能力があり、空中を移動できるという能力があった。

「はは、じゃあ……いこうか」

不知火は、そう告げて崖へと足を滑らせたのだった。




それぞれの動きが交差する中、白夜たちは凛に連れられて最奥の場所まで来ていた。

「ここって……財布の最高機関じゃないと入れないとこじゃねぇか!?」

驚いた様子で秋生が声を上げる。
それもそうだろう、何せ一般のユーザーが入れるような場所では到底ない。
むしろ、入ってはならない場所だった。

「この奥に……あるお方がお待ちです」

凛がその最奥にある大きな黒い扉を指差して言った。
その顔には何の躊躇もなかった。

そして、開く。ゆっくりと扉が。

その先に広がっていたのは

「これは……」

まさに科学の集合体ともいえる場所であった。
機械という機械が埋め尽くされている。そしてそれに伴った薄暗い部屋の明かりにも圧倒される。
武装警察の最深部は、こんなにも科学的な構造下にあったのだった。

「ん……客か」

まるで来るのを待ちわびていたように、その部屋の中心部に立っている白髪の男が言った。
外見はガッシリとしていて、いかにも警察の偉い方だと見た目で判断できそうな格好だった。

「あぁ〜……やっぱりか……」

優輝がため息混じりに頭を手で抱え、何か呟いている。
そんな優輝の様子に白髪の男はいち早く気付いて傍まで近寄ってくる。

「ん……お前は……やはり優輝か!」

優輝の顔を見たと思うと途端に驚き、笑顔となった。

「え? え?」

秋生は何が何だか分からない感じで優輝と白髪の男を交互に見ていた。

「はっは! 久しぶりだな、優輝。……ということは、お前が白夜光か」

白髪の男は優輝の肩を何回か軽く叩くと、次に白夜へと話しかけた。

「……あぁ」

一言で白夜は返した。
その様子に全く害することもなく、白髪の男は言う。

「申し遅れたな。私の名前は、ヴァン・クレイゼルだ」

「ヴァン・グレイゼル? もしかして……武装警察、総司令官及び、元帥の……?」

春が確かめるように白髪の男、ヴァン・グレイゼルに聞く。
すると、返ってきたのは笑い声と、それに対する応答だった。

「いかにも。私が総司令官及び元帥やっておる」

武装警察はあらゆる点で活躍するいわば政府の裏の機関のようなものである。
それは規模は大きく、いまや世界的システムとなったエデンなどにも力を入れている。
その規模はあまりに膨大で、武装警察そのものが政府といっても過言ではない。

そんな大組織を従える総司令官が自分たちの目の前にいるという現実。

そしてさらなる事実といえる現実を宣告された。

「"ワシの息子"と仲良くしているみたいだな」

「息子?」

秋生がすっ呆けた顔をしながら聞く。するとヴァンはゆっくりと頷き、

「左様。優輝はワシの息子じゃ。義理じゃがな」

白夜と優輝以外の凛を含めた春と秋生は驚きを隠せなかった。

Re: 白夜のトワイライト 更新再開 ( No.146 )
日時: 2010/11/16 19:47
名前: 狩人 ◆Puie0VNSjk (ID: /od6a26Q)

不知火さん出してくれてありがとです^^

早速足滑らせるとかww

Re: 白夜のトワイライト 更新再開 ( No.147 )
日時: 2010/11/17 00:29
名前: 遮犬 (ID: pD1ETejM)

「え? ちょ、待ったああっ!」

秋生が思わず優輝と元帥の間へ割り込んだ。

「優輝っ! お前……ヴァン元帥の息子!?」

そういえば秋生だけが優輝のおい立ちを知っていなかったなぁと優輝は考える。
少し間を空けた後、優輝は苦笑しつつ

「いや……義理だけどな。俺は養子なんだ」

優輝がそこまで告げると秋生は大人しく「そうなのか……」と、難しい顔をして引き下がる。

沈黙が訪れた後、それを破ったのは白夜だった。

「ヴァン総司令官。話があって俺はここにきた」

白夜は見た目は子供だがしっかりとした態度で目線を上にあげてヴァンを見る。
その態度に「ふむぅ……」と、唸りつつ微笑みを浮かべる。

「おぬしがあの……。ふむ、何だ? 話とは」

ヴァンは顎の白髪をさすりつつ、白夜の話を聞いてあげることを告げた。
それに呼応するかのように白夜は淡々と話し始めようとした、が

ものすごい地響きが館内を襲った。
地下でもこの地響きということは地上では凄まじいほどの爆撃か何かがあったのだろうと推測できた。

「ふむ……話は後にしたほうがいいみたいだな、白夜光」

ヴァンは微笑んだまま、白夜、その他の春や秋生らを見回す。

「……俺たちを利用する気か?」

白夜のその推測は大いに当たっていた。
まさにその通りだったのだ。

「働かざるして、獲物はないだろうが」

どこか違うことわざを言いながら、ヴァンは指を指す。
さした方向にあるのは、大きなモニターであった。そのモニターに描かれているものは、この周辺の地図。
赤のマークと青のマークがあり、現在位置のこの館内の中は青のマークとなっている。
そしてその青のマークを取り囲むかのように赤のマークが無数にあった。

「青が無論、ワシらのことを意味する。赤が敵ということじゃの。何者かは大体予想はつくが……」

それだけいったヴァンは顎の白髪を再びしゃくりはじめた。
それを見かねたかのように凛が代わりに説明を始めた。

「どうやら、黒獅子率いる反政府軍のようですね……。データに残っています」

何だかよくは分からないがどうやら黒獅子の引き連れている敵だということは分かった。
凛が喋り終わった後、ヴァンは白夜たちと向き合い、白髪をワイルドに掻きながら告げる。

「ま、なんにせよ……こやつらをどうにかせんことには何の話にもなりゃせんじゃろ」

つまりは行って倒して来い、ということであった。
横暴、とは思ったが手に入れる情報はたやすいものではない。

「分かった。引き受けてやる。その代わり……俺の問いには答えてもらう、いいな?」

その白夜の言葉にヴァンは高らかに笑い、

「よかろうっ! その度胸、しかと見た!」

と、そこで秋生らから反論が出る。

「ちょ、白夜! お前分かってんのか? 相手はどんんな奴か全くわからな——」

その言葉を遮るかのように優輝が

「そうだ。それにこのジジイの言うことなんて——」

ゴスッ!
鈍い音が優輝の頭の上で鳴る。
どうやらヴァンに拳骨を喰らったようであった。

「いってぇなっ!」

痛そうに頭を抱えてヴァンから離れる。

「父さんに向かってその口はなんじゃい!」

ヴァンは顎の白髪を俄然、しゃくりながら言った。

「とにかく早く——」

ヴァンが喋ろうとしたその時、またもや大きな地響きが館内を揺らす。

「総司令官! 軍勢が進行開始し始めました!」

どこにいたのか武装をした者が突如、ヴァンに報告を告げる。
その言葉に黙ってヴァンは頷く。そして白夜たちの方へと向き、出番だとばかりに言う。

「さぁ、行って根性見せて来い。……あ、それとな。ほれ、凛」

「は、はい!?」

自分は蚊帳の外だと呆然としていた凛は突如話しかけられて驚いた表情して反応を示した。

「お前も同行しろ。研修だ」

「え、えぇ!?」

ヴァンの言葉に優輝が思わず反応する。

「凛は関係ないだろ!?」

「関係あるだろうが。こいつも立派な武装警察。いつまでもこんなところで案内係じゃいかんだろ」

ヴァンの言葉は真実だった。
ずっと凛は案内係をさせられてきた。それは戦闘ではあまり役に立たないとされていたためである。
だが、接客等は向いているとみなされたためにここにこうしている。
ゆえに、本当の戦闘はこれが初めてということだった。

「お前が守ればいいだろうが、お前が」

ヴァンが優輝を指さしながら意地悪そうに言った。その言葉につい優輝は押し黙る。

「行くのならば早く手立てを打たないと戦況が不利になります」

春がゆっくりと告げる。その言葉に白夜は頷き、扉に向けて歩き出す。

「私……私……やってみます!」

凛は決意した目で言い放ち、白夜の後をついていった。
優輝はその姿を見た後、ヴァンを少し睨み、自分も後を追いかける。

「ったく……あぁっ! クソッ! こんなことならついてくるんじゃなかったぜ……」

秋生はぶつぶつ何やらいいながらも律儀に白夜の後を追いかけていくのであった。




一瞬の内にして静かになる館内。
中には機械音とコンピューター制御用のCUPがいるのみ。
後は司令官が二人ほどいるぐらい。
ヴァンはモニターを見上げる。

「……ついに始まってしもうたわい」

顎をしゃくりながら、今度は笑顔ではなく、鋭い目つきをしてモニターを睨みつけた。