ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re.白夜のトワイライト オリキャラ募集中 ( No.26 )
日時: 2010/09/17 20:46
名前: 遮犬 (ID: cLZL9WsW)

「…俺をはめたのかと言っている」

白い肌をした綺麗な子供が自分より幾分と背の高い刑事のような格好したおっさんに問いかけていた。


「あれは仕方なかったんだ。それに、確かに黒獅子はあそこにいたと目撃情報が…」


「お前らごときの情報網に引っかかった俺がバカだったようだな」子供が仁王立ちして刑事を睨んでいる。


真っ白で染められたこの個室は病室。それにすぐ傍で優輝が肩に包帯を巻いて眠っていた。

「まあまあ、そんな怒るんじゃない…」と、刑事が子供——つまり白夜を落ち着かせようとした時


「うぅ…どこにいる…っ!黒獅子…!!」優輝が苦しそうにしている。どうやらうなされているようだ。


「…おい。コイツは何のために黒獅子を探しているんだ?」


「あぁ、優輝のことか?優輝は…黒獅子に家族を殺されたんだったか…」



「家族…か……」白夜は自分の手を握り締めた。まるで自らの過去を消し去るかのように。



「……っうお!!ここはどこだ!」優輝がいきなり顔を上げて起き上がった。


「…え…えーっと………」白夜の顔を見て黙りこむことおよそ20秒。


「あぁっ!!お前はっ!!…ありがとうございますっ!それとお前何者なんだよっ!」


「…こいつはいつもこんな感じなのか?」白夜が隣にいる頭を抱えた刑事に問いかけた。


「…はぁ…優輝はいっつも寝起きはこうなんだ」と、ため息を終わりのほうにもう一つ吐いた。

            *

「…それじゃあ白夜は本来俺の増援とかではなくて、黒獅子を探しにきたってことか?」


「そういうことだ」刑事が一件落着といった感じにうんうんと頷いて見せた。


「解決してねぇって!何でこんな子供が黒獅子を探してるんだよっ!それに何で武装警察と…」


「繋がっているんだ、とでも言いたそうだな。それに俺は子供じゃない。一応俺は18歳だ」


「18っ…!!」(俺と同い年じゃねぇかっ!!)優輝は驚愕したという。


「……まあいい。俺はもうそろそろ行く。アテにはしてないがまた黒獅子の情報を頼む」


「ちょ、ちょっと待てよっ!お前…えーと、白夜!お前…どうやってあの暗闇の中…」


「俺の能力が気になるのか?」


「っ!お前どうして俺の思ってること分かるんだ…?」これがコイツの能力…?


「考えていることが分かりやすいからだ。それを当てているだけの話」


「…お前の能力、一体何なんだ?」改めて聞いた。こんな子供がそこまで強いなんて信じられない。


「やめとけ、優輝。白夜はSランクのクレイバーだぞ」


「Sランク…っ!?」

エデンにはそれぞれ職種とそれに対するランクが存在する。

一番下級はFランク。その次がE、といった感じにアルファベットにランクが決まっており、

最高ランクはSSSランク。つまり白夜は三番目に強いプレイヤーということになる。

エデンではランクによって能力や強さも違ってくるのだ。

職種は5つに分類されている。シーカー、ストライカー、クレイバー、スレイヤー、パニッシャーである。


「おい、メールが届いてるぞ」白夜の言葉に刑事は「あぁ」と、一言いってメールを見た。


「…何…!?これはどういうことだ…!?」


「どうした?」



「……次々とプレイヤーたちが殺されている…!今現在、ワールドコードは『黄昏』だ!」


「…俺はいく。大量の殺し…黒獅子かもしれない」


「待てっ!…俺もいく」優輝が点滴を引きちぎって白夜の肩を掴む。


「何をいってるんだっ!お前はケガをしているんだぞ!」


「こんな傷!どうってことない!黒獅子がいるかもしれない。それに、コイツの能力も見れる」


「そんな…黒獅子がいるっていう確証は…」


「いるさ。それは俺の記憶がしっかりと覚えてるぜ」優輝は自分の戦闘服を着ながら



「——ワールドコード、黄昏で家族が黒獅子に殺された。それに…今までの発見情報を探っていくと」

地図を広げて優輝が何やらマークを書き込んでいく。


「黄昏を中心にしてドーナツ状になってるからな。一番怪しいんだよ。黄昏が」

バッファゾーンというものをご存知だろうか?犯人が自分の住んでいるところは犯罪をしないエリアのこと

つまりドーナツ状になっている犯罪地域の中でその中心核、近くで犯罪の起こっていない場所が一番怪しい


「…好きにしろ。ただし…俺はお前のことを守ったりはしない。いいな?」


「当たり前だ。守ったりなんかしたら俺の『神斬』の名に悪いだろうが」

二人は黄昏へと向かう。

    そこで何が待ち受けているかも知らずに。