ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 白夜のトワイライト オリキャラ募集中 ( No.31 )
- 日時: 2010/08/19 10:01
- 名前: 遮犬 (ID: hsrPOuX9)
「なんだよ…これ…」
——着いた先には、悲惨というものしかなかった。
ワールドコード、黄昏は今や死人の山だった。きっと現実では多くの死体が出ていることだろう。
この世はもはや、腐ってる。何のためにこうまでしてエデンをプレイする人が減らないのか。
「…多分、この人たちも家族か何かを殺されたんだ…じゃないとこんな狂った世界に誰が…!!」
優輝は血の海と化している目前の光景をただ見つめて嘆くばかりだった。
「…そんなことをいっている場合じゃない。もうすでに戦いは始まっているようだ」
白夜の言うとおり死体だけだと思われた中から血まみれのアバターが多数起き上がってきた。
「戦いって…!なんで戦うんだよっ!俺らは黒獅子を探しに…」
「何をいっている。いっただろう、ここは既に戦いが始まっているんだ。現に奴らは…」
「俺達を狙っている」
白夜の言葉を最後にして二人に目掛けて周りのやつらが襲い掛かってくる。
「お前らもっ!黒獅子の仲間かぁああ!!」白夜と優輝を襲う内の大半がそういう言葉を口にしていた。
「違うっ!待てっ!俺らは敵じゃ…」優輝は説得も効かず、優輝に男が刃物で斬りつけようとした時。
——灰色の光を保った白夜の腕が男を吹き飛ばしていた。その男はもう黒コゲの状態だった。
「お前っ…!!何してんだっ!」優輝が白夜の胸ぐらを掴む。
「お前こそ何をいっているんだ。さっきお前は死にかけた、そこの男に殺されかけたんだ」
「っ!」現に自分が説得しようとしていた男は自分を殺しかけていた。自分が、死ぬところだった。
「いいか?ここは同情をする場でも慰めをする場でもない。相手を喰わないと自分がやられる場だ。
お前、そんなこともわきまえないで黒獅子を倒す?なめるのもいい加減にするんだな」
「くっ…!」言い返すことが出来なかった。俺は現にコイツに助けられた。それも二度も。
こんなことで家族を殺した黒獅子を倒せるはずがない。仇を、取れるはずがない。
「…わかった…俺は…戦ってやるっ!!」優輝は剣を抜き、傍にいたアバターを斬りつけようとした。
「だけどっ!殺しはしないっ!コイツらはここにいる人たちを殺したかもしれないけど…!
この人たちも俺と一緒の痛みを抱えているんだ。だから、殺さない」
「…好きにしろ。それに俺は何も殺すなどとはいっていない。コイツラは止めるだけだ…。
現に、黒コゲにさせたその男はまだ生きている。俺が力を本気で出したら…跡形もなくなるからな」
確かに白夜の攻撃をくらった男は呻きながらも息はあった。声を聞く限り死にかけでもなかった。
「…はっ!気に食わねぇな、やっぱりお前は。だけど……ありがと…な」
「目の前のことに集中しろ。俺はお前を二度と助けはしない」
「人がせっかく礼をいってるってのに…よっ!」致命傷にならなくて動きが取れないぐらいに斬りつける。
そうして数分もしたうちには白夜たちを襲ってきた者は全員動けなくなっていた。
それにしても襲ってきた連中は皆半狂乱状態だった。ただ目の前の者を敵とするかのように。
何かに怯えているかのように白夜たちを襲ってきていた感じがした。
「なあ…戦闘見てて思ったんだが、お前の力って灰色の光?なんでそんなので燃えるんだ?」
「俺の能力か?俺のこの力は——」
その時、殺気を感じた。それも、とてつもなく大きな殺気。
「この気配は…!まさか…」殺気の感じる方を向くと黒い鬣のついた仮面をつけた黒装束姿の男がいた。
「……黒獅子…!?」優輝は目の前の黒装束の男をただ驚き、睨んでいることしか出来なかった。