ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 白夜のトワイライト オリキャラ募集中 ( No.41 )
日時: 2010/08/20 18:30
名前: 遮犬 (ID: hsrPOuX9)


俺は早く黒獅子を探しださなくてはならない。

黒獅子からトワイライトの存在を聞き出し…そして俺は…


「待っていろ…もうすぐだ…もうすぐ、お前を助けられる…」


第2話:断罪の花

「お帰りなさい、白夜」


「あぁ…」

ここは罪あるものに裁きを与える者の集まり、エルトール。

「そういえば団長がお呼びになっていましたよ」青いバンダナを巻き、姿は制服姿の女性が伝えてきた。


「…大和撫子やまとなでしこか…」


この女性は風月 春(ふうげつ はる)、アバターコードは大和撫子。

白夜と同じエルトールの仲間である。頭はなかなかのものだが抜けているところは多い。


「何か怒っているのですか?」


「いや…別にお前には関係はない」白夜は無愛想に団長のいる部屋へと向かった。


「…ストレスでしょうか…?」大和撫子は首を傾げてその場で考えこんだ。

            *

エルトールの中で一際大きな部屋がある。そこが団長の部屋となっていた。


白夜が団長の部屋の前まで行くと


「ん…白夜光か。入っていいぞ」青年のような声が団長室から聞こえてくる。


何らかの能力かはわからないがどうやら団長は部屋の前に誰がいるのかわかるみたいだ。


「……何のようだ」中に入ると声の通りに清清しい青年が大きな椅子に座っていた。


そして団長の座っている机の前には若い男が一人いる。二本の刀を体にぶら下げている。


「うん。とりあえず…月蝕侍げっしょくじ、彼が白夜光だ」すると二本の刀の男が振り返り


「おぉー!お前が白夜光かー。よろしくなっ!」


「お前は…誰だ?」白夜は初対面の男に馴れ馴れしく声をかけられたことに少々腹が立ったようだ。


「ん?俺?俺は月蝕侍。お前のことは聞いてるぜ、白夜光。まさか一緒に任務することになるとはな…」


「何?…どういうことだ」白夜は団長、ディストは苦笑いしながら白夜に告げた。


「いやぁ〜…話すのが遅れてだな…白夜光と月蝕侍それと…」


「私の三人での任務です」


いつの間にか居た大和撫子がニッコリと微笑む。


「…一体このメンバーで何の任務だ?」


「よくぞ聞いてくれたね、白夜光。今回の任務はあることの調査とエデン内のバグ破壊だ」


バグ…それはエデン内で死んだ者の残骸がそのままエデンの中に残り、生み出されたもの。


今までも罪無き幾多のプレイヤーを死に追いやって来た。


死んだ者の能力も使えるためになかなか厄介な奴らでなかなか手の打ち様が無い。



「——バグを俺たちに?」


「あぁ、そうだ。このメンバーでのチームは初めてだろうが頑張ってくれ」


「あぁ、ちょっと待った!」月蝕侍こと吾妻 秋生(あずま しゅうせい)がディストに待ったをかける


「何だい?月蝕侍」


「——あることの調査ってなんです?」


「あぁ、言い忘れてたね、ごめんごめん」一番肝心な任務を言い忘れる。大丈夫なのか、この団長は。



「君達は『断罪』という名前のアバターネームを知っているか?」


「——断罪…?」白夜は少し聞き覚えがあった。


確かあの大戦争、トワイライトで日本軍の女のアバターコードだったはず。

ただその女は現実世界で人を殺しすぎて死刑囚になっていたらしいが…


トワイライトでの活躍でそれも免罪になっているのだとか。


「その断罪がどうしたんですか?」大和撫子こと春が問いかけた。


「うむ。その断罪何だが…今まで消息不明だったがエデン内でまた現れたらしい」


「なんでまた…」


「わからん。だが実際にエデン内で殺しを数多く行っている。見過ごすわけにはいかない」

「武装警察はどうなんですか?」


「武装警察もいまだ尻尾をつかめていない。どうやら今回のバグに断罪は関係するようだ」


「…興味がない。俺は抜ける」

「おいっ、白夜光!」秋生が白夜を引き止める。


「…君の言いたいことはわかる。黒獅子だろう。断罪と繋がっている可能性は…90%だ」


「何…?」白夜光はディストを睨みつけるようにディストの顔に振り返った。


「どうやら断罪は黒獅子の居場所を知っているようだ。だからこそ君も参加を依頼するのだよ」


「…その話、本当なんだろうな?」


「あぁ、確かのはずだ」


「…わかった、やってやる」


「おいおいっ!黒獅子とかどうとかどういうことだよっ!?」秋生が白夜に問いかける。


「お前には関係ない。…俺はもういくぞ」そういってまた無愛想に団長室から出て行った。


「ストレス…ですか」春が白夜の出て行った後にそう呟き、自分も部屋を後にした。


「お、おいっ!待てって!」秋生もその後を追いかけていく。



「ふふふ…面白いチームだね。白夜君、君は断罪の花に手が届くかな…?」


ディストは一人団長室の天井を見上げてそう呟いた。