ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 白夜のトワイライト オリキャラ募集中 ( No.63 )
- 日時: 2010/08/26 15:09
- 名前: 遮犬 (ID: hsrPOuX9)
やばいやばいやばいやばいやばいやばいっ!!!!
今動いたら…確実に八つ裂きにされる。そんな殺気という重圧をひしひしと優輝は感じていた。
頬につたる汗、電脳世界だというのにそれがリアルに伝わってくる感覚。
そう、これは死に向かっているという感覚。
第3話:Daed or alive?(生死は問わず)
「…?」
秋生は何かの異変に気がついて路地に向かおうとしていた。
路地のほうには全くといっていいほど人気がない。あまりにも無さすぎる。それが逆に怪しかった。
「ま、どうせ何もないんだろう…?」
路地に向かっている道の真ん中に一人の男がいた。その男は二つの剣を持っていた。
「…何か用か?」秋生がその男に話しかけてみた。
「ここから先は通さん」その男はその言葉と共に剣を構えた。
「あー…路地に何かあるのか…。…はぁ〜、アバターコード陽炎。ここは通させてもらう」
秋生は自らの武器である刀を二本構える。
「俺は『斬将』。俺様に剣で勝負を挑むとはな…上等だ!俺様と勝負すること、後悔させてやる」
「…ったく、面倒くさいことに…」秋生は一言呟いて斬将に向かっていった。
*
「…それじゃあ、いくよ?」断罪が優輝に向けて言い放った。
(なんで俺が会うんだよ…!最近ついてなさすぎだろ…!白夜を呼ぶ……いや、ダメだ)
優輝は剣を抜き、構えて逆に言い放った。
「借り作りっぱなしじゃあ!俺の面子がねぇんだよっ!!かかってこいっ!断罪!!」
その刹那——
「——何?」断罪は優輝のすぐ傍まできていた。
「なっ——」
なんとか優輝は剣で相手の攻撃を受け止める。だが受け止めた優輝はものすごい勢いで吹っ飛ぶ。
「なんつー力だ…!女のくせに…」
断罪の持っているもの。それは5本の鎌のようなものが出ているものを両腕につけている。
例えるならば蜘蛛のような武器であった。
「ほら…どうしたの?人殺し、毎日してるんじゃないの?」
「うるせぇっ!お前にいわれたか——ねぇよっ!」優輝は思い切り斬撃を吹き飛ばした。
だが軽くよけられ、その蜘蛛のような10本の鎌で近づいてくる。
「君、この武器の能力をみくびっちゃいけないよ?」
するとその鎌は10本とも分裂して優輝の方向へ伸びてくる。
「長距離系にも使えるのかよ…!!」その10本の鎌をすべて防ぎきれず、4本ほど優輝に当たる。
切り傷が優輝の体から血を流させる。そしてまた鎌は元に戻っていく。
「ほらほら…どうしたの?人殺しなんてお手の物でしょう?」
「っ!うるせぇっていってんだろっ!!」優輝は痛む体と家族のことを思い出す。
俺は好きで人を殺しているわけじゃない。家族を、家族の仇をとるために…!!
優輝は自分の拳を握り締める。黒獅子の姿が目に浮かぶ。そして優輝はあることを思いついた。
(あれしか…ないっ!)優輝は走り出した。
「うりゃああああ!!!」優輝は無謀にも断罪へと突っ走っていく。
「ふふふ…無謀だね、まだまだ全然!…ま、もうここで死ぬんだけどね」
断罪はその10本の鎌を全て優輝に貫通させようとした。だが優輝の目的はただ突っ込むだけではなかった
「届けぇええっ!」横へ飛び去り、断罪の上にあった大きな物体。そこに斬撃を当てた。
「っ!しまった!」断罪はその下に埋もれていった。
「よっしゃぁっ!俺が一人で…!?」
まだ、断罪は死んでいなかった。
「ふふふ…君、甘いよ。僕はまだ、能力のカケラも出していないんだよ?」
「なっ…!」断罪はその埋もれた中から姿を現した。
大きな十字架を背中にささげて。
「これが僕の武器だよ…さっきの鎌みたいなのは玩具。いたぶるための…ね?でも君をこれで…」
殺気の重圧が何倍にも膨れ上がる。
「グチャグチャに殺してあげるからね?」
- Re: 白夜のトワイライト オリキャラ募集中 ( No.64 )
- 日時: 2010/08/26 17:26
- 名前: クロ+ ◆EJ0MB3jlw2 (ID: gs3t.cSo)
。゜(゜ `Д)ノ。゜ヽ( )ノ゜。ヽ(Д´ ゜)ノ゜。。゜ヽ(゜`Д´゜)ノ゜。ウワァァァン!!
怖いよー!
・・はっ!
ぐちゃぐちゃになる前に
( ・`ω・)-○))〜〜〜〜〜〜〜Ю☆ロケットパンチ
- Re: 白夜のトワイライト オリキャラ募集中 ( No.65 )
- 日時: 2010/08/26 20:28
- 名前: 遮犬 (ID: hsrPOuX9)
<<クロ+さん
断罪はめちゃくちゃ怖い設定になっておりますw作者もただただ震え上がるばかりでございます…(ぁ
優輝はロケットパンチ使えるんでしょうかね…?じゃないと死ぬかも…(ry
- Re: 白夜のトワイライト オリキャラ募集中 ( No.66 )
- 日時: 2010/08/26 23:49
- 名前: 遮犬 (ID: hsrPOuX9)
剣と剣が交じり合う音。それが路地に向かう途中の道から聞こえてくる。
「このやろっ!」
秋生の攻撃をいとも簡単に避けて行く男、斬将は自らの剣を黒いオーラで包んでいた。
対して秋生も陽炎で剣を包んでいる。
「ふぅ…お前強いな、名前は?」
「黒槍 斬斗だ…」
「俺は吾妻 秋生。よろしく…なっ!」その瞬間秋生の体が消える。
「!?」斬将こと斬斗は周りを見渡すがどこにもいない、ように見えた。
「…なるほど…陽炎を自分の身に纏わせることで姿を見えなくするというわけか…」
斬斗の言葉に返事はない。
「…行かれたか……」斬斗は剣を元の場所へと収め、行ったであろう路地の方向へと走っていった。
*
(殺される…!!)本気で優輝はそう感じた。化け物だ…噂などよりも体感するとよくわかった。
「…どうしたの?もしかして逃げるの?」断罪が微笑んで言った。
一気にいつの間にか溜まっていた唾を飲み込む。危険、とわかっているが今動いたら…!殺される。
「じゃぁ…いくよ?」断罪が優輝に近づいてくる。
(動け…!動け!動けぇええ!!!)動かない足を無理矢理にでも動かして——逃げた。
「ふふふ…鬼ごっこですか?」断罪はものすごい速さで追ってくる。
(後もう少し…もう少しで……!!)優輝はあるものに向かって走っていた。
「よしっ!ここで——」
肉を裂いた音がした。何かが優輝の体貫いている。
「…っ!あと…もう少しだってのに…!」
貫いているのは大きな十字架。十字架の先端は尖っており、その部分から貫いている。
「…残念だったね……。大儀の名を借りて人殺しをするだなんて…許せないよ」
断罪が優輝の血を顔に浴びながら言う。優輝の傷は致命傷中の致命傷だった。
優輝の体から十字架を引き抜く。そして優輝はゆっくりと倒れていった。
「本当に大儀を掲げて殺しをしているのはお前じゃないのか?」
「!?誰…?」
冷静な少年のような声が響いてくる。だが気配は二つある。
「…よくやった…日上」
「っ!!」いつの間にかその少年の声を発していた”子供”はさっき倒した優輝の前にいた。
その傍では女性こと春がおり、優輝の回復を計っている。
「アバターコード、白夜光。お前を…裁きにきた」
- Re: 白夜のトワイライト オリキャラ募集中 イメージソング変更! ( No.67 )
- 日時: 2010/08/27 10:13
- 名前: 亜倉歌樹 (ID: EE/vzbC4)
びゃっくんキターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
このやろぅ! 待ってたぜぃ!
そして秋生もいいところで逃げやがるな、なかなかやるぢゃねぇか(ふふふ
断罪は残酷やの(−・−;)
しかも鎌玩具て(泣
死んじゃあかんよ優輝、春さんがやってくれてんだかんよ、介抱。
- Re: 白夜のトワイライト オリキャラ募集中 イメージソング変更! ( No.68 )
- 日時: 2010/08/27 10:46
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: 8fHYICVX)
斬斗君だ!
さすが『斬将』かっけえなあ〜!
パーセンター「お〜い!斬斗くう〜ん!」
斬斗「黙れ。そして消えろ。貴様の存在ごと葬り去ってやる。」
パーセンター「ぎゃああああ!」
↑
何か思いつきでやってみた
- Re: 白夜のトワイライト オリキャラ募集中 イメージソング変更! ( No.69 )
- 日時: 2010/08/27 12:24
- 名前: 遮犬 (ID: hsrPOuX9)
<<亜倉歌樹さん
白夜はいいとこ取り大好きですからw毎回いいところを逃さないのです(キリッ
秋生君は後から…色々ありますねw
断罪は本当に残酷ですねー。見た目はそれこそ大和撫子のように着物とか着て美人なんですけど…
戦闘状態の時だけああなりますw二重人格…じゃないけどそれと近いですかねw
鎌を玩具扱いするほどのやつですからね…見た目とえらい違いw
優輝は…結構主格ですからw介抱の仕方によっては死にますけどね…(ぇ
<<パーセンターさん
斬斗君はどこで出すかとても迷いました><;最初は断罪と一緒にいる設定にしようかと思いましたが…
結果こういう登場ですw後からまた登場しますよーw
思いつきネタwwいつかやってみたいですねぇwどうなるかわかったもんじゃないですけどねww
多分大半はシラけるかとw
- Re: 白夜のトワイライト オリキャラ募集中 イメージソング変更! ( No.70 )
- 日時: 2010/08/27 13:24
- 名前: クロ+ ◆EJ0MB3jlw2 (ID: gs3t.cSo)
こんにちはー!
カッコいい・・。。
ロケットパンチ出来たら
断罪こういいそうです。。
「ふふ・・・。子供だましだね。」みたいな・・?
- Re: 白夜のトワイライト オリキャラ募集中 イメージソング変更! ( No.71 )
- 日時: 2010/08/27 14:20
- 名前: 遮犬 (ID: hsrPOuX9)
<<クロ+さん
こんちゃっすw
あーw言いそうですねwwそういうネタも書きたいなぁww
ちなみに白夜にやると
「…ふざけるのもたいがいにしろ」と怒られますね…でも実はロケットパンチ系統大好きとかいう…
そんな白夜の一面も書けたらいいですねぇw結構中身子供っぽいところも含ませているのでw
- Re: 白夜のトワイライト オリキャラ募集中 イメージソング変更! ( No.72 )
- 日時: 2010/08/27 14:23
- 名前: クロ+ ◆EJ0MB3jlw2 (ID: gs3t.cSo)
おぉぉ・・・。
残月にロケットパンチをすると
「・・・。馬鹿?」
といわれそうです///
残月「・・・当たり前じゃない。」
- Re: 白夜のトワイライト オリキャラ募集中 イメージソング変更! ( No.73 )
- 日時: 2010/08/27 14:27
- 名前: 遮犬 (ID: hsrPOuX9)
<<クロ+さん
なるほどwあ、ちなみに残月さんはもうじき出る予定ですw
そうですねぇ…なら優輝の場合だと…
「うぉっ!すげぇー!てかビックリしたぁ〜…」って感じですねw
優輝君はこういうのにとても弱いのですwていうかロボット系統が大好きなのですw
- Re: 白夜のトワイライト オリキャラ募集中 イメージソング変更! ( No.74 )
- 日時: 2010/08/27 14:46
- 名前: クロ+ ◆EJ0MB3jlw2 (ID: gs3t.cSo)
そうなんですか!楽しみですねdd
優輝・・・。
将来ロボット経営者にでもなったら
良いですね・・・。。。
- Re: 白夜のトワイライト オリキャラ募集中 イメージソング変更! ( No.75 )
- 日時: 2010/08/27 15:40
- 名前: 世移 ◆.fPW1cqTWQ (ID: P8fkdnbW)
オリキャラ投稿させてもらいます!
【名前】千原 双 (ちはら そう)
【性別】女
【アバターコード】紅火霧
【性格・容姿など】多重人格 性格は明るくてよくしゃべる。そして血や傷を見ることが嫌い。またじっとできない。 もう一つの性格は明るくよくしゃべるが血・傷・死 体などを見たり人を殺したり・傷つけたりすることが好き。容姿は、長髪で髪の色は蒼、目が黄色と蒼のオッドアイ。服は学校の制服。
【能力】氷 (空中の水分を集めて凍らせて相手に落とすことも可能・相手を凍傷にすることもできる)
【武器】槍・銃・剣・水
【サンプルボイス】
表「私、双って言うの! 宜しくね?ちなみにじっとできた時間は2分45秒!!」
裏「アハ! 血がいっぱい! このまま血がなくなって死ぬんだね!。」
裏「上に注意してね。すぐ死んだら私がつまらないからね。じわじわと弱らせてあげるよ・・・。」
【他に何かあれば…】白夜のトワイライトを読ませてもらいました!!面白いです!頑張って更新してください
- Re: 白夜のトワイライト オリキャラ募集中 イメージソング変更! ( No.76 )
- 日時: 2010/08/27 15:49
- 名前: 遮犬 (ID: hsrPOuX9)
<<クロ+さん
ロボット経営者www優輝はそれでも本望かもしれませんねww
<<世移さん
おー!オリキャラぁあ!!wいぃキャラありがとうございますw
紅火霧とかいてくびきり…すごいっすねw思いつかなかったですw
多重人格キャラですかw初ですねw結構断罪さんも多重人格っちゃあ多重人格なんですけどねw
読んでいただきありがとうございましたwこんなヘタレな作者ですが頑張って更新しますw
- Re: 白夜のトワイライト オリキャラ募集中 イメージソング変更! ( No.77 )
- 日時: 2010/08/27 23:51
- 名前: 遮犬 (ID: hsrPOuX9)
白夜は断罪に銃口を向けた。
「僕を…裁く?」頬を血で塗られた笑顔の表情で断罪は白夜に問う。
「…お前を倒す任務が出ている。生死は…問わない」白夜は冷静な目で白夜を見据えていた。
「…なるほど…君もエルトールみたいだね…」顔の血を優しく拭いながら断罪は言った。
「でもさぁ…君たちも所詮、政府の道具だよねぇ…?悪人を裁くとかなんとかいってさぁ…?
結局は使われて——」
「何をいっている?俺は使われてなどいない。"利用してやっている"だけだ」
白夜は大きく手を振り落とす。すると光が大きな波動のように断罪へと向かっていく。
「無駄だよ」断罪は十字架を前にかざした。
「イージス(神秘の盾)」
「!?」
白夜の出した光は盾に弾き返され、白夜の元へと光は返っていく。
咄嗟に白夜は自らの腕に光を吸収させる。
「…能力の跳ね返し…」どうやらあの十字架の盾に触れた能力は弾き返されるようだ。
「君…その灰色の光の色…もしかして、白夜光?」断罪が笑顔の状態のままで聞いてくる。
「…あぁ、そうだ」白夜はゆっくりとそう答えて自らの銃を何発か撃ってみた。
「やっぱりね…君のこと、聞いてるよ…。トワイライトを探してるんだって?」
断罪は余裕で銃弾を跳ね返しながら答える。そして今度は断罪が近づいてきた。
「…黒獅子はどこにいる?」断罪の十字架を銃に付加してある剣で受ける。
「…案外、君の近くにいるかもしれないよ?」
「何っ!?——っ!!」
断罪の言葉に動揺させられ、白夜は大きく仰け反ってしまった。
「しまっ——」白夜の上から白い光が降り注ぐ。
「罪人に、裁きを」断罪の言葉と共にものすごい勢いの白い高圧力エネルギー体が白夜を襲った。
「…まだ死んでないよねぇ?じゃないとつまらない——」
「どこを見ている?俺はさっきからここにいる」
白夜は断罪の後ろにいつの間にかきており、左手の闇の中に断罪を入れ込む。
「——チェックメイトだな、断罪」その中に光を入れようとしたその時。
「そうはさせんっ!」何者かが白夜を斬りつけてきた。
その男は刃に闇が宿っており、二つの剣を装備している。
「斬斗。足止めは?」開放された断罪が白夜を大きく吹き飛ばし、言った。
「こちらにもきておりませんか?あの者は確かにこちらに——」
「これっ…!どういうことだよっ!!」
その時、すぐ傍で男の声が聞こえた。その男はまさに月蝕侍こと秋生だった。
「白夜もやられてるし…優輝…!?」秋生は優輝の致命傷を見る。
いくら春が治療をしているとはいえかなり状態は悪い。いつ死んでもおかしくはない。
「やっときたか…戦闘中に逃げ出すとは——」
「ごめんな?流石の俺も、キレたわ」秋生は刀を構えた。断罪と斬将に向けて
「お前ごとき、断罪殿と俺の二人が相手できるはずが——」
「何勝手に俺をいない扱いしている」
「…!!白夜!」秋生が向けた視線の先には頭から少々の血を出している白夜の姿があった。
「かかってこい。お前ら二人まとめて俺が…裁いてやる…春、あれを渡せ」
そして春から受け取ったものは布に覆われた棒状の物。白夜の体の約二倍はある大きな棒状の物。
布を取ると、左右どちらの先端も大きな刃がついている。
その中身はダブルブレード、左右の先端どちらも刃のついた両剣だった。
「俺も久々に肉弾戦で殺り合おうじゃないか」白夜は小さく、だが無愛想に笑みを浮かべて言った。
それになんとか秋生も合わせた。白夜と同じような気持ちだった。
「「さぁかかってこい、罪人共」」
- Re: 白夜のトワイライト オリキャラ募集中 イメージソング変更! ( No.78 )
- 日時: 2010/08/29 01:16
- 名前: 遮犬 (ID: hsrPOuX9)
「ふふふ…面白いね…とても面白いですね…こういうのを待っていたのかもしれない…!」
「ほう…なら今度こそ本気でやらせてもらおう」
断罪と斬将もどうやらやる気のようだった。
「…白夜!」
「…なんだ?」無愛想な返事が返ってくる。
「…作戦は!?」秋生が笑みを含んだ表情で白夜に聞く。
「無い」
「…え?」耳を疑った。もう一度聞いてみようか…?
「邪魔な物を俺は切り捨てるだけだ」白夜はそれだけ言った。
「…えぇ、嘘だろ?」秋生は困った、というより呆れた表情で眼前を見た。が、
「うぉっ!!」いきなり斬将が斬りかかってきていた。
「一度俺から逃げれたことは褒めてやる。だが…二度はない!!」
「俺だって別に…!逃げやしねぇよっ!」陽炎を斬将に飛ばすが難なく避けられる。
「ふっ!それはどうか——!!」
白夜が斬将を斬りつけようと構えていた。
「んなっ!!」咄嗟に斬将は剣で受け止める。
「お前っ!一対一じゃないのかよっ!?」
「いっただろう。俺は目の前の邪魔な物は斬り捨てる…と」白夜の少し前には断罪がいる。
「クスクス…面白いね、白夜光君…?」断罪が飛んでくる。
「バカ野郎っ!俺まで巻き添え喰らうっ——うぁっ!!」間一髪で避ける秋生。
「きなよっ!白夜光!!君の力を見せて!」断罪が長い十字架を鎌のように振り回しながら白夜を襲う。
「俺は能力を使うことより、元は体術のほうが優れている」白夜は両剣を両手で振り回し、弾き返す。
「はぁっ!」「はっ!」連続で何度か両剣と十字架が高速で交じり合う。
「なかなかやるねぇ…!?」
「俺もいるだろうがぁああ!!」秋生が陽炎と共に吹っ飛んでくる。
「あぁ、そうか。君とも遊ばないとね…でも、白夜光が先だよっ!」断罪が十字架を振り落とす。
「ジャジメント!(神の裁き)」
光の柱が秋生に降り注ぐ。これは最初に白夜がやられた技だ。
「こんなのお前どうやって避けたんだっ!!」陽炎で姿を隠してとりあえず猛ダッシュで逃げる。
「ようっ!やっと出てきたなっ!!」出た先で待ち構えていたのは斬将だった。
「あー!うぜぇっ!!」剣と剣がさらに交じり合う。
「断罪、お前は余所見しててもいいのか?」白夜が両剣を頭上で振り回しながら問う。
「ふふふ…余所見なんかしていないよ。僕の獲物は…君一人だからねっ!!」
断罪が白夜の元へ駆けてくる。
「唸れ…夜光」
白夜の呟いた一言と共に両剣から真っ直ぐの光の斬撃が放出される。
「っ!!」断罪は十字架の盾、イージスを出して守ろうとしたが間に合わなかった。
その光の一直線はその直線上のあらゆるものを熱で吹き飛ばし、焼き払い、焼き斬る。
凄まじい砂煙の中から断罪が頭から、手から、肩からと血を流していた。
「ふふふ…あははは…アハハハハハハ!!!!!」断罪は狂ったかのように笑い出す。
「面白い!面白いよっ!!君!今まであった善人面して人殺ししてた奴らとは大違いだっ!!」
それからまた笑い出す。また静寂を生み出す路地からは断罪の奇妙な笑い声しか聞こえない。
「ふふふ…僕はもうそろそろ帰るよ…」
「逃げる気か…?」白夜が断罪を睨み付ける。そしていつの間にか斬将も断罪の傍まできていた。
「私はもう、黒獅子とは何もないよ。ただ一つ…面白かったお礼に…」
と、いって紙飛行機のようなものを飛ばしてきた。中身を見ると
【孤高の白城】と書かれていた。
「なんだこれは?」
「そこにいってみなさい…何か手がかりがあるかもね?君の…大切な人の…ね?」
「っ!!?」白夜は決して歪むことのなかった表情が、初めて大きく歪んだ。
「なぜ…なぜお前がそのことをっ!!!」白夜らしくない声と表情で断罪を睨み付ける。
「ふふ…また会えたら、教えてあげるよ…いこうか、斬将君」
「あっ!お前は俺との決着が…!」秋生が斬将を止めようと声をかけるが
「俺は傭兵だ。主に従う。命が失わずに済んでよかったな…次は…殺す」と、不気味に笑い、答えた。
「やれるもんならなっ!」秋生の言葉と共に断罪たちは消えていった。
「…くっ…!どうしてヤツがアイツのことを知ってるんだ…!?」
白夜は白い紙飛行機をグシャグシャに手で握り潰して、ただただ地面を見つめていた。
第3話(完)