ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 白夜のトワイライト オリキャラ募集中 ( No.66 )
- 日時: 2010/08/26 23:49
- 名前: 遮犬 (ID: hsrPOuX9)
剣と剣が交じり合う音。それが路地に向かう途中の道から聞こえてくる。
「このやろっ!」
秋生の攻撃をいとも簡単に避けて行く男、斬将は自らの剣を黒いオーラで包んでいた。
対して秋生も陽炎で剣を包んでいる。
「ふぅ…お前強いな、名前は?」
「黒槍 斬斗だ…」
「俺は吾妻 秋生。よろしく…なっ!」その瞬間秋生の体が消える。
「!?」斬将こと斬斗は周りを見渡すがどこにもいない、ように見えた。
「…なるほど…陽炎を自分の身に纏わせることで姿を見えなくするというわけか…」
斬斗の言葉に返事はない。
「…行かれたか……」斬斗は剣を元の場所へと収め、行ったであろう路地の方向へと走っていった。
*
(殺される…!!)本気で優輝はそう感じた。化け物だ…噂などよりも体感するとよくわかった。
「…どうしたの?もしかして逃げるの?」断罪が微笑んで言った。
一気にいつの間にか溜まっていた唾を飲み込む。危険、とわかっているが今動いたら…!殺される。
「じゃぁ…いくよ?」断罪が優輝に近づいてくる。
(動け…!動け!動けぇええ!!!)動かない足を無理矢理にでも動かして——逃げた。
「ふふふ…鬼ごっこですか?」断罪はものすごい速さで追ってくる。
(後もう少し…もう少しで……!!)優輝はあるものに向かって走っていた。
「よしっ!ここで——」
肉を裂いた音がした。何かが優輝の体貫いている。
「…っ!あと…もう少しだってのに…!」
貫いているのは大きな十字架。十字架の先端は尖っており、その部分から貫いている。
「…残念だったね……。大儀の名を借りて人殺しをするだなんて…許せないよ」
断罪が優輝の血を顔に浴びながら言う。優輝の傷は致命傷中の致命傷だった。
優輝の体から十字架を引き抜く。そして優輝はゆっくりと倒れていった。
「本当に大儀を掲げて殺しをしているのはお前じゃないのか?」
「!?誰…?」
冷静な少年のような声が響いてくる。だが気配は二つある。
「…よくやった…日上」
「っ!!」いつの間にかその少年の声を発していた”子供”はさっき倒した優輝の前にいた。
その傍では女性こと春がおり、優輝の回復を計っている。
「アバターコード、白夜光。お前を…裁きにきた」