ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 白夜のトワイライト オリキャラ募集中 イメージソング変更! ( No.78 )
- 日時: 2010/08/29 01:16
- 名前: 遮犬 (ID: hsrPOuX9)
「ふふふ…面白いね…とても面白いですね…こういうのを待っていたのかもしれない…!」
「ほう…なら今度こそ本気でやらせてもらおう」
断罪と斬将もどうやらやる気のようだった。
「…白夜!」
「…なんだ?」無愛想な返事が返ってくる。
「…作戦は!?」秋生が笑みを含んだ表情で白夜に聞く。
「無い」
「…え?」耳を疑った。もう一度聞いてみようか…?
「邪魔な物を俺は切り捨てるだけだ」白夜はそれだけ言った。
「…えぇ、嘘だろ?」秋生は困った、というより呆れた表情で眼前を見た。が、
「うぉっ!!」いきなり斬将が斬りかかってきていた。
「一度俺から逃げれたことは褒めてやる。だが…二度はない!!」
「俺だって別に…!逃げやしねぇよっ!」陽炎を斬将に飛ばすが難なく避けられる。
「ふっ!それはどうか——!!」
白夜が斬将を斬りつけようと構えていた。
「んなっ!!」咄嗟に斬将は剣で受け止める。
「お前っ!一対一じゃないのかよっ!?」
「いっただろう。俺は目の前の邪魔な物は斬り捨てる…と」白夜の少し前には断罪がいる。
「クスクス…面白いね、白夜光君…?」断罪が飛んでくる。
「バカ野郎っ!俺まで巻き添え喰らうっ——うぁっ!!」間一髪で避ける秋生。
「きなよっ!白夜光!!君の力を見せて!」断罪が長い十字架を鎌のように振り回しながら白夜を襲う。
「俺は能力を使うことより、元は体術のほうが優れている」白夜は両剣を両手で振り回し、弾き返す。
「はぁっ!」「はっ!」連続で何度か両剣と十字架が高速で交じり合う。
「なかなかやるねぇ…!?」
「俺もいるだろうがぁああ!!」秋生が陽炎と共に吹っ飛んでくる。
「あぁ、そうか。君とも遊ばないとね…でも、白夜光が先だよっ!」断罪が十字架を振り落とす。
「ジャジメント!(神の裁き)」
光の柱が秋生に降り注ぐ。これは最初に白夜がやられた技だ。
「こんなのお前どうやって避けたんだっ!!」陽炎で姿を隠してとりあえず猛ダッシュで逃げる。
「ようっ!やっと出てきたなっ!!」出た先で待ち構えていたのは斬将だった。
「あー!うぜぇっ!!」剣と剣がさらに交じり合う。
「断罪、お前は余所見しててもいいのか?」白夜が両剣を頭上で振り回しながら問う。
「ふふふ…余所見なんかしていないよ。僕の獲物は…君一人だからねっ!!」
断罪が白夜の元へ駆けてくる。
「唸れ…夜光」
白夜の呟いた一言と共に両剣から真っ直ぐの光の斬撃が放出される。
「っ!!」断罪は十字架の盾、イージスを出して守ろうとしたが間に合わなかった。
その光の一直線はその直線上のあらゆるものを熱で吹き飛ばし、焼き払い、焼き斬る。
凄まじい砂煙の中から断罪が頭から、手から、肩からと血を流していた。
「ふふふ…あははは…アハハハハハハ!!!!!」断罪は狂ったかのように笑い出す。
「面白い!面白いよっ!!君!今まであった善人面して人殺ししてた奴らとは大違いだっ!!」
それからまた笑い出す。また静寂を生み出す路地からは断罪の奇妙な笑い声しか聞こえない。
「ふふふ…僕はもうそろそろ帰るよ…」
「逃げる気か…?」白夜が断罪を睨み付ける。そしていつの間にか斬将も断罪の傍まできていた。
「私はもう、黒獅子とは何もないよ。ただ一つ…面白かったお礼に…」
と、いって紙飛行機のようなものを飛ばしてきた。中身を見ると
【孤高の白城】と書かれていた。
「なんだこれは?」
「そこにいってみなさい…何か手がかりがあるかもね?君の…大切な人の…ね?」
「っ!!?」白夜は決して歪むことのなかった表情が、初めて大きく歪んだ。
「なぜ…なぜお前がそのことをっ!!!」白夜らしくない声と表情で断罪を睨み付ける。
「ふふ…また会えたら、教えてあげるよ…いこうか、斬将君」
「あっ!お前は俺との決着が…!」秋生が斬将を止めようと声をかけるが
「俺は傭兵だ。主に従う。命が失わずに済んでよかったな…次は…殺す」と、不気味に笑い、答えた。
「やれるもんならなっ!」秋生の言葉と共に断罪たちは消えていった。
「…くっ…!どうしてヤツがアイツのことを知ってるんだ…!?」
白夜は白い紙飛行機をグシャグシャに手で握り潰して、ただただ地面を見つめていた。
第3話(完)