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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: __マリオネット ( No.1 )
- 日時: 2010/08/17 14:25
- 名前: りあ ◆WSXLTeBDMM (ID: 51mnxWm4)
...プロローグ
都心から少し離れて郊外に在る、ある閑静な住宅街にその小さな公園は存在していた。
その公園は池と木製のベンチしかない寂れた公園だった。ベンチの使用者といえば、野良猫くらいで人が座っている事はまず無い。それくらい、寂れた公園だった。
しかし、その日だけは公園に人の来客がいた。ただしその人物は生きていなかった。
水鳥が泳ぐ池の緑色に濁った水面に、静かに死体は浮かんでいた。
白いセーラー服が、濁った水の中で映えている。死体の長く伸びた髪は、波にゆらゆらと揺られながら水面に広がっている。それを餌か何かと勘違いした水鳥がついばんでいる。
死体の私物だと思われる通学用の鞄の中身が、水面に浮かんでいた。
この死体は、死ぬ間際に何を思っただろう?
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