PR
ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: __マリオネット ( No.2 )
- 日時: 2010/08/17 14:25
- 名前: りあ ◆WSXLTeBDMM (ID: 51mnxWm4)
序章...女子高生連続殺人事件
今朝から教室の空気は重苦しい。いや、この教室だけではないだろう。学校中が重苦しく悲しみに満ちた空気に包まれている。
その原因は、僕の右斜め前席にある。原因となる席には、白い花が花瓶に生けられた状態で置かれている。その席には誰も座っていない。詳しくいうならば、座る人間が居なくなった、という形になるだろうか。そう、その席の主は死んだのだ。
「なんで茜が……」
隣の席では、複数の女子達が固まってすすり泣いていた。
一方泣いている男子は、死んだ古木茜の恋人である鎌沢拓哉だけであった。しかし、他の男子達も驚きと動揺を隠せないでいた。
もちろん僕もこんな経験は初めてであるし、クラスメイトの死にショックを受けていた。昨日までこの教室で、彼女は楽しそうに友人や恋人と話をしていたのに、今の状況は急すぎる。
今朝のホームルームでは、今日の生活の流れを聞かされただけだった。しかし、教壇に立つ担任教師の瞳に涙が浮かんでいたのは確かだ。教師の涙に、僕は改めてクラスメイトの死を実感していた。
PR