PR
ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: __マリオネット ( No.6 )
- 日時: 2010/08/17 19:47
- 名前: りあ ◆WSXLTeBDMM (ID: mQVa63/B)
その日の放課後、僕は図書室にいた。今日は特別疲れた。別にキツイ運動をしたとかではなく、精神的に疲れたのだ。
僕の父親は警察である。僕はそれを誇りに思っているなどというわけではない。むしろ、警察である父が嫌いだ。警察としての威厳か何なのかは知らないが、普段の生活から何もかもに対して父は厳しかった。そんな父は、僕が幼い頃から自分の理想ばかりを押しつけて育ててきた。
だから、僕は事あるごとに"警察の息子"として偏見的な視線を浴びさせられた。そして今日も、その例として挙げられる。
あくまで僕は、警察の息子であったとしても、父とは別の人間だ。警察ではない。父のせいでいつも僕は、時々周囲から冷たい眼を向けられなくてはいけないのだ。僕は密かに父を恨めしく思った。きっとこれも、父嫌いの原因なのだろう。
僕はもやもやとした気分のまま黙々と本を読み進めていた。すると、突如僕の肩に誰かの手が置かれた。反射的に振り返る。
「どうも、宮瀬秋君」
PR