ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 鬼[オニガリ]狩 ( No.10 )
日時: 2010/10/09 14:42
名前: 黒ネコ^・д・^ (ID: q9W3Aa/j)

翌日(昼放課)...



「・・・・俺、1組行って来る」
「お、起きてるなんて珍しいじゃん」
英助・・・、俺はそんな毎回寝てる程睡眠不足にはなってねえ。
いつでも元気いっぱいだ(根拠ナシ)
「さき食ってていいよ」
俺はそういって教室を出る。
つーか、昨日は俺が弁当を忘れて、なんで今日は水那なんだ?
あいつ食いしん坊のくせに。 やっぱ変だアイツ。



・・・・今日、久しぶりにニュースを見た。
信じられなかった。 悠夜の言ったとおりだった。
いつも聞かされてた話。
『鬼?いるわけないじゃん』
『いるんだよ。 鬼たちはな、人の生き胆とかを喰っちまうんだよ』
『そんなグロ話やめてよー!!』
あたしは嘘だと思ってた。だからいつも、悠夜の話を笑い飛ばしてた。
【今日午前2時頃、ビル屋上にて女性3人が何者かに内臓などを喰われました】
【では、都市伝説の専門家に話を聞いてみましょう。これは“鬼”の仕業なんですか?】
【そうですね。まず、生き胆などに歯型がついています。それに人がこんな事するはずがありません】
【ということは、“鬼”は存在すると?鬼の仕業だと?】
【鬼の蔵書にある言い伝えが書かれていました。
“憎しみに飲まれた人間は、闇に囚われ、悪鬼とかす”・・・と】
【ということは、もとは・・・・——】
聞いてて、目を見開くほかなかった。
悠夜がいってたとおりだったから・・・・・。
鬼は・・・いるんだ。 だったら、昨日のやつは・・・——



「水那!!」
「・・・・っ!?・・・悠夜?」
・・・どうして、・・ここにいるの?ココ1組だよ??
「なにボーっとしてんの?昨日からなんか変だぞ」
「・・・・昨日?」
昨日は昼から会ってないじゃん。それに昼のあたしは普通だったけど。
「電話のとき」
・・・あたしが変だったこと、・・気付いてたの??
さっきまで暗かった気持ちが、少しだけ明るくなる。
「ありがと、でも・・大丈夫だよ」
「・・・そうか?」
「うん!あ、お弁当ありがとね」
「あぁ、ボーッとすんのも気をつけろよ」
悠夜は「じゃあな」といって教室を去っていった。
・・・大丈夫だよね。 なんもされてこないよね。
もし、襲ってきたとしても、助けに来てくれるよね?
———悠夜




「送ってくれてありがとね」
「おう、じゃあな」
今日は一緒に帰った。現時刻は7:45分。悠夜の部活が終わるまでかなり待ってたから・・
疲れたな・・・。 けど、悠夜のやつ心配するからな。
「ただいま」
「おかえりー、今日塾でしょ?はやくいってらっしゃい」
その言葉に心臓が波打つ。
・・・今塾に行ったら、終わるのは12時近くくらい。・・・どうしよう。怖い。
「はい、これ夕飯ね。・・ホラ、いってらっしゃい」
「・・・うん」
お母さんはあたしの背を軽く押して、それから玄関のドアを閉めた。
・・・・はやく行って、終わらせてこよ・・っ!!



...時刻は深夜0時、歯車は回り始めた...



「英助、反応ねえの?」
「まだないな。じばらく周り監視してて」
「わかった」
いつも通りに俺たちは鬼狩りを始めていた。
「真田、そっちはどうだ?」
「別に変ったことはないよ」
俺は「そうか」と言って通信を切った。
・・・なんだか胸騒ぎがする。今日はなにかが起こりそうだ・・・・


ヤバイ・・・、0時過ぎちゃった。はやく帰らないと・・っ。
あたしは腕時計を見ながら全力で走った。
その時、男の人たち・・・10人くらいに囲まれる。
「・・・・なんです、か?」
あたしは恐る恐るに尋ねる。
なに・・この人たち・・。瞳を見てみると赤く光っていて、焦点が合っていない。
・・・いやだ、怖い。・・・逃げなきゃ。
だけど、この場所は人通りが少なく、人目につきにくい場所だった。
しかも、最悪なことに背中の方は壁。
どうしよう・・・。
そう思ったときだった・・・、
男たちの姿はみるみるうちに恐ろしい鬼の姿に。
「・・・ぁ・・はぁ・・っ・・」
体が震えて言うことを聞かない・・・。
・・・いや、いや・・・

———悠夜・・・・っ!!!