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Re: 鬼[オニガリ]狩 ( No.13 )
日時: 2010/08/26 11:03
名前: 黒ネコ^・д・^ (ID: q9W3Aa/j)


...宇津木の正体...



「失礼しまーす」
放課後、俺と水那は生徒指導質に向かった。
「失礼します・・・・」
なんでそんな緊張してんだ??
となりで猫背になってキョドる水那。
「・・やめるか?」
「やめないもん」
俺はため息をしながらもフッと笑う。
昨日の騒動で水那は鬼狩りに入ることを決意したらしい。
そこは水那らしいといえばらしいけど・・・・。
“アイツ”に会わせたくないんだよな・・・。
「悠夜にばっかり背負わせないんだから」
ボソっと俺に一言いってから先に足を進める。
・・・かっこいい台詞いっときながら、猫背ですよ?水那さん。


「お、きたきた」
教室の奥のほうで英助がパソコンをいじりながら視線を俺によこす。
「おう」
それだけいって俺は鞄を近くの机に置く。水那も同じように隣に鞄を置く。
周りを見渡すとアイツの姿がない。
「英助、宇津木は?」
「宇津木さん?もうすぐ来るんじゃない?」
俺はそうかといって椅子に座る。
「・・・顧問の人、宇津木先生なの?」
「・・・そんな感じ」
顧問と言えば顧問。一応俺たち鬼狩りの保護者役だ。
「宇津木先生って生徒にモテてるのに、・・鬼狩りなんかに興味あるんだ」
宇津木ってモテんのか!?初耳だぞソレ!??
そんな疑問もでたがスルーすることにした。(ただイラつくから)
「悠夜、なんで宇津木先生が顧問なの?」
「・・・それは」
・・・いっていいのか? 
俺は視線を英助に向ける。 英助は苦笑いをしてから再びパソコンに目を向ける。
わかんねえってか・・・。 
どうしようと戸惑っていたとき、ガラッと扉が開いた。


「知りたいー??」
うわー、でやがったでやがった。噂をすればなんとかってやつか!?
本人登場です☆
「はい」
水那は素直に頷く。
水那に微笑んでから先生用の椅子に座り、足を組む。
そして宇津木は「あとでな」といってから視線を俺に寄越した。
「英助から聞いたぞ。10体一人で殺ったそうだな」
フッと不適に微笑む。
その笑い方嫌いなんだよ・・・。俺は宇津木を睨む。
「怖い顔すんな、褒めてんだぞ??」
「おめぇに褒められても嬉しかねえよ」
宇津木は更に笑みを深めて「相変わらずからかいがいがある」とボソッと呟く。
だけどそんな言葉俺の耳に届くはずもない。小さすぎるからな。
「・・・本題に入るか」
しばらく沈黙が続いた後、宇津木が口を開く。
「・・・で、悠夜はなにを言いに来た?」
俺は何も言わない。ただ視線を水那に向けるだけ。
「・・・正確に言えば・・・・、水那、さんだけど」
彼はそういって水那に視線を向ける。
水那はそれがわかっていたかのように、静かに口を開いた。
「鬼狩りに入りたいです」
「どうして?」
いったすぐに宇津木が攻めに入る。
水那は少し戸惑ってから再び口を開く。
「昨日みたいに役立たずは嫌です」
「それだけ? 鬼狩りは最悪の場合・・・命を落とすかもしれないんだぞ?」
「助けられてばかりは嫌なんです!!悠夜の支えになりたいんです!!」
再び沈黙が流れる。
「・・・覚悟はいいな?」
「はい!!」
そして宇津木がそう呟くと、水那はやる気に満ちた返事を返す。
その言葉を聞いて、宇津木は微笑んだ。
「いいだろう・・・白石水那、・・・お前は今日から鬼狩りだ!!」
水那は安堵したように微笑んでから俺に近寄る。
「悠夜っ・・!!」
「・・・・よろしくな」
「うんっ!!」
鬼狩りに入った以上、毎日が命取りになる。
・・・いつも俺の傍にいてくれないと困るな・・・。
「ただし、俺の傍から離れんなよ」
万が一の事もあるしな・・・・。起きてからじゃ話になんねえ・・・。
水那は頬を染めながら、「うん」と笑顔で頷いた。