ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 鬼[オニガリ]狩 ( No.22 )
- 日時: 2010/09/19 16:34
- 名前: 黒ネコ^・д・^ (ID: q9W3Aa/j)
「クソ、また喰われてるじゃねぇか・・・?!」
路地についた瞬間、鼻を刺す様な匂いがした。
その場には5,6人の男女の死体があった。
もちろん、腹には大きな穴が開いていて、生き胆を喰われていた。
つーか、んで今日はこんなに鬼が出て来るんだよ!?
いくら西の鬼がこっちに来てるからって、いっぺんに大量に出現しすぎなんだよ!!
小さく舌打ちをしてから、太刀を手に取る。
「真田、突っ込むから援護頼む。水那も頼めるか?」
「わかった。無理はしないで」
「足引っ張らないようにするからっ」
「頼むぞ」
地をけって、頷きながら俺は鬼たちへ突っ込む。
2体の鬼が俺に襲い掛かってくる。
・・・遅ぇんだよっ!!
1体を真っ二つにし、2体目の心臓を突き刺す。
大量の鮮血が俺に降りかかる。
血の匂いがキツくて、鼻がもげそうだ。
けど、そんなのとっくに慣れてんだよ・・・・。
真田達に援護をしてもらいながら、かたっぱらかしから鬼たちを倒してった。
鬼はあと1体・・・———
「あと、一体」
顔についた血を手で拭いながら、鬼を睨みつける。
・・・・あれ、・・・この鬼、何か変だ。
ふと、鬼を見て違和感を感じた。
体の色が、真っ赤だ。焦点の合っていない瞳は、俺を見て薄気味悪く笑う。
「あ・・・、ぁ・・は」
鬼は口をパクパクさせながら俺に近づいてきた。
なんだこいつは・・・・・。
俺はもう一度鬼を睨みつけながら、大きく太刀を振り上げた。
「死ね」
真っ二つにしようとしたその刹那、太刀を手で受け止められた。
「なっ・・・・?!」
やっぱコイツ、他の鬼とは何処か違う。
そのまま俺は、壁へ思い切り投げつけられた。
口から血反吐が出て、背中には激痛が走る。
壁は大きくへこんだ。
なんつー力だ・・。
前を見ると、目の前には鬼が立っていた。
「なっ——?!」
コイツ、・・・・動きが速ぇ!!!
普通だったらもっと遅いはずなのに!!?
鬼はそのまま拳を俺の腹へ振り下ろした。
「ゴフッッ!!?」
更に口から血を吐き出す。
「浅葱君!?」
真田がとっさに俺に駆け寄る。
今度は真田に拳を振り下ろす。
真田は鎌で防御したが、耐え切れず壁にぶつかった。
「真田さん!!大丈夫?!」
「平気。だけど、浅葱君が」
「みんなで切りかかるわよ。それしかないわ」
黒田の言葉にみんなは頷いた。
「・・・糞ッたれ」
ヤベぇ・・・な。この状況。
鬼は爪を伸ばして、大きく振り上げた。
このままじゃ、喰われる!!
その刹那、
鮮やかな鮮血が辺りに降り注いだ。
「浅葱君!!大丈夫?!」
鬼は五体を斬られ、絶命していた。
「あぁ、サンキュな」
微笑みながら俺は、助けてくれた真田たちにお礼を言った。
「黒田もサンキュ」
「別に、あなたにお礼されても嬉しくないわ」
ムカツク奴だな。
素直にどういたしましてって言えねぇのか?
「・・・・あの鬼、なんだったんだろう?」
水那の言葉で俺は顔を上げた。
「普通の鬼じゃなかった」
「じゃあ、なんなの?あれ」
黒田の言葉に、誰も口を開かなかった。