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Re: 鬼[オニガリ]狩 ( No.5 )
日時: 2010/08/18 09:09
名前: 黒ネコ^・д・^ (ID: q9W3Aa/j)


...鬼狩り...

<舞台は池袋>



深夜0時。奴等が動き出す時間だ。
「英助、場所」
通信機で連絡。ほんの少しの間が空いてから、英助が応答する。
「200m先を右に。 路地の隙間に3体。真田呼ぶか?」
「いい。3体ぐらい」
「わかった」
通信を終えた後、俺は走り出す。
漆黒の夜空に月はなかった・・・———




狭い路地で何かが蠢いていた。 
その場所は、辺りが鮮血で彩られ、血なまぐさい。
「オイ、犯してんなよ」
そこにいたのは、俺たちが狩る獲物。———鬼がいた。
鬼たちはゆっくりと俺のほうを振り返る。
口は血に濡れていて、手から血の水滴がポタポタと滴る。 口は耳まで裂けて、爪は獣のよう。
妙に息が荒く、瞳は真っ赤に染まっていて、焦点が合っていない。
「・・・つっても、もう遅いか」
ちっ・・・喰われちまったか・・・・。
3体のうちの1体が女の亡骸を両手で掴んでいた。
腹の内臓が全部引きちぎられて喰われてる。

鬼たちは生きた人間の内臓、肝や臓器を求めて地を彷徨う。
・・・もとは人間だったのにな。
憎しみに飲まれた人間は、闇に囚われ鬼となる。 つまり、鬼たちは憎悪の塊だ。



「悠夜、真田の所に5体。さっさと終わらせて援護に行って」
「わかった」
俺は背中にかけていた太刀を抜く。 鬼たちは俺の生き胆を求めて迫り来る。
———その刹那、
1体目を切り刻み、2体目の心臓を貫き、3体目を頭の先から真っ二つにする。
血に濡れた太刀を軽く振り、血を落としてから鞘に収める。
返り血に染まった顔を袖で強引にふき取った。




俺たちは“鬼狩り”だ————