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Re: 鬼[オニガリ]狩 ( No.9 )
日時: 2010/08/19 17:31
名前: 黒ネコ^・д・^ (ID: q9W3Aa/j)



「げっ・・」
「どうしたー?悠夜」
あの野郎・・帰りやがったな。
時刻は7:20分。 昇降口に水那の姿がない。下駄箱には靴もない。
・・・大丈夫かよ。 確かに遅くなったけど・・。宇津木のせいでだけどな。
俺はケータイで水那に電話する。そして、1コール2コールなって・・・・
「水那?もう家か??」
『・・・うん』
・・・?なんか元気なくねぇか?
「・・・水那?」
『ゴメンネ、勝手に帰ちゃって』
何だ・・。それで暗かったのか。変に心配させんなよな。
「いや、なんもないならいいんだ」
『・・・・心配してくれて、ありがとね。じゃぁ・・』
「・・・?・・おぉ」
切れてもなお、俺はケータイを耳に当てたままだった。
やっぱ、なんか変だった。 アイツ、なんかあったのか・・・?
「おーい悠夜。帰るぞー」
英助の声でケータイを耳から離し、「あぁ」と返事してから、俺たちは学校を後にした。



「・・・8、9・・・取り付いてるのを見てる限りは9体だね」
真田が周りを見ながらそう答える。
俺も周りを見ながら「だな」と相槌をうつ。 
鬼となった奴らは、深夜0時になるまでは普通の人間と同じように暮らしている。
だから姿形は0時になるまでわからない。
だけど人間の姿をしていても、俺たちは強い霊感を持っているため、
それを使って背中に憑いている鬼の霊を探し出すことが出来る。
「わかってるのに、0時になるまで動けねえからな・・」
こんなまだ人がうじゃうじゃいるなか、太刀をふるって殺すなんてできるわけない。
・・・もどかしい。


「焦んなって、ま、今日もいつも通りな」
「わかった」
「うん」
俺たちは商店街を出た後、別れた。