ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: cross オリキャラ募集 ( No.37 )
日時: 2010/08/23 14:53
名前: 水妖 (ID: 8hgpVngW)

美依香

『まだ、開始まで10分あります。』

《ですね。お好きにどうぞ。》

お好きにって言われても、何をすればいいのやら。
そんなことを思っていると向こうから話しかけてきた。

「ねぇ。君さぁ〜β334と仲良かったδ539だよね??」
「———ッ!!」

こめかみに痛みが走る。
忘れるはずも無い、狢との記憶。
あの場所にいた奴ら皆殺したはずなのに。
その名前に反応したのを笑っている。

「あ〜、やっぱり??」
「狢の事を知っているのは、私以外この世に居ないはずです。どうして・・・っ」
「狢ってアレだろ?お前が殺したんだろ?あの時は、最高だったよ。」
「——っ。最低だっ。」

最低っ!最悪っ!!
もしかしてあいつはっアレは、相楽だったの?
皆が攫われたのも、
私に狢を殺させたのも全部あいつがやったっていうの!?

「そ〜っか〜。でも、あいつ以外にも頼れる奴居るんじゃね〜の〜?」
「私には狢しか居なかったんです。あなたには、分かりません。」
「ま、分かりたくもねぇけどなっ。」

《そろそろいいでしょうか。相楽様、石倉様。》

「あ?何が?」

《ゲームですよ。殺し合いの。》

「殺し合い・・・二人でですか。」
「あー?okokー。もーいいぜ。」

『そう〜。じゃあ、私たちは武器に変わるね。』

そう言うと、ルナはスタンガンに、サニーは金属バットに変わった。

「あ〜。やっぱ、しっくりくるわー。」

《それでは、スタートです。》

「いくぞ。δ539。」

そう言って真っ先に私の前まで来て足を狙われる。
——そこまで、なめられちゃお終いよね。

「150秒で倒してやる。」

そう言って美依香の頭の上へバットを振り下ろす。
だが、そこに美依香の姿は無かった。

「——どこだっ。」
「普通に三分って言ったらどうです?」

スタンガンの出力が最小のままバットを持つ手に当てる。

「痛っっ。痺らせてくれやがってっっ!!」

痺れてバットを握れていない。
今が畳み掛けるチャンスか———?
でも、今の出力が最強だったら一発なのに。
とりあえず行こっと。

「俺がそんなにドジだと思うか?」
「そんなっ・・・。」
「ゴミンねー。俺、両手利き☆」
「がっ・・・ぅ・・・。」

腹、蹴られた・・・。
痛い、想像以上に痛い。
私はまだ10歳なんだから・・・っ

「少しは手加減してくれてもいいじゃないですか?」

スタンガンを振り下ろす。

ガンッ  バチッ

当たった・・・の?

「ザーンネン☆バットで防げるっつーの。」

そのままバットで殴られそうになる。
でも・・・

「さすがに二手先までは読めないですよね。」
「はっ・・・!?」

捕まえた・・・。
もう逃げられない、絶対。

バヅンッ

スタンガンの音だけが、静かに響いた。

【おめでとう、美依香さん。
 その男は、どうしたい?】

「後で話聞くつもりですので、取っておいて下さい。」

【フフ・・・扱いが厳しいわね〜。
 とりあえず、目を瞑ってくれる?
 飛ばすから。】

やっと、白い世界から逃れられるわ。