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Re: ━ESP━『エスパー』立て直しました ( No.2 )
日時: 2010/08/20 18:59
名前: 遊太 (ID: U3CBWc3a)

01【超能力専門会社‘アビリティ’】

「痛っ!!」
天馬は床にたたきつけられた衝撃で目を覚ました。
「やっほー。目覚めた?」
天馬が上を見上げると、気絶前に見た女子高生が立っていた。
「お前!!何のつもりだ!!」
天馬は両手を炎で包み、女子高生に両手を向けた。
「パイロキネシスねぇ〜。安心して、敵じゃないわ。私は松本亜樹。この会社の社員よ。」
「しゃ、社員?」
天馬は両手の火を消し、辺りを見渡す。
最初は気がつかなかったが、誰もいないがロビーにいるらしい。
「とりあえずついてきて。社長に会わせるわ。」
「ちょ、ちょっと待てよ。お前さっき電気を・・・」
「あなたと一緒よ。私も能力者。ほら、早く!!」
亜樹は天馬の腕を掴みエレベーターに乗ると、そのまま社長室を目指した。

**********

最上階13階 社長室

エレベーターが音をあげて開くと、目の前は出てすぐ社長室になっていた。
「おぉ。来たかね。」
全壁窓張りの社長室のデスクの奥に、福与かな体系をした社長がいた。
「社長。この子も能力者です。それに、こっち側の能力者です。」
「そうか、そうか。よく来たね!!海藤天馬君!!」
社長である冥堂龍之介は天馬に歩み寄ると、強引に握手を交わした。
天馬はリアクションも取れず、呆然と冥堂の顔を見つめる。
「ようこそ。超能力専門会社‘アビリティ’へ!!」
社長は笑いながら席に戻り、天馬を見ながらソファーに指さす。
天馬は亜樹に背中を押され、しどろもどろでソファーに座った。
「あ、あの・・・てかここどこですか?」
「ここは渋谷区宇田川町に建っている。君の家から1時間くらいの場所だ。」
「は、はぁ・・・・」


「社長!!」


亜樹は冥堂を見て大きく叫んだ。
冥堂は話が逸れたことに気がつくと、頭を触りながら軽く頭を下げた。
「失敬。で、本題だが、君にはこの会社で働いてもらう。」
「は!?」
天馬は冥堂の突然の言葉に返す言葉が見つからない。
「心配はない。活動期間は休日、祝日。勿論、給料も出る。能力者は強制だ。」
「てかよ!!なんで俺が能力者だって分かったんだ・・・ですか?」
天馬は敬語で話し始める。
亜樹が後ろで吹き出し笑いをする。
「病院に知り合いがいてな。そいつに頼んで時折調べてもらってるんだ。で、君のDNAで分かった。」
天馬は冥堂の説明が今一理解できない。
「能力者は一般の人とDNAの構成が違ってね。とまあその話は終わって、どうだね?」
「どうだねと言われましても・・・・・」
天馬は唐突すぎる出来事に思わず亜樹を見た。
亜樹は天馬の表情を見て口を顰める。

「社長。突然すぎましたね。後日、改めて来てもらいましょう。」

「そうだな。」

どうやら冥堂は最初から天馬の心境を読んでいたらしい。
亜樹は天馬に会社の名刺を渡すと、ソファーから立たせた。
「今日はすまないね。やり方が乱暴すぎた。」
「い、いえ・・・それどころか・・・・」
天馬は何かを言おうとしたが、顔を赤らめて恥ずかしがる。
「どうしたの?」
「い、いや。じゃあまた今度。」

その後、天馬は亜樹に自宅まで送ってもらい両親には話しをつけ丸く収まった。

そしてその夜、天馬は心の中で言いかけた言葉を復唱した。




ほかにも同じ能力者がいてうれしかった_____


俺は一人じゃない_____