ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 銀の炎 ( No.10 )
- 日時: 2010/09/12 18:59
- 名前: 杵島 茄武 ◆wWr1IKfGtA (ID: hAtlip/J)
第5話 『決闘』
クロムは剣を構え、紐に繋がれていないベータに斬りつけようとした。
ベータは知らず知らずのうちに電気を発しているため、
この真夜中でも辺りは明るい。クロムにとって嬉しいことだ。
クロムは一瞬身体をいなし、電気シールドをかわし,
そして左腕のゴントレットから銃のように紐が勢いよく飛び出た。
先にはおもりがあり、オオカミの身体に簡単に、そして素早く絡みついた。
この調子で次々にオオカミに紐を絡み付けた。オオカミはかわさないのか?
いや違う。衝突したとき、余りにもの放電で前が見えないのだ。
そしてクロムは放電する少し前に、紐を撃つのだ。
そして全員に紐を括り付けた。それと同時に雨が降りはじめ、それもすぐ土砂降りになった。
オオカミ達は紐を噛み切ろうとするが、周りのオオカミが邪魔で、うまく噛み切れない。
クロムは紐を放した。
「ええい、自由奔放な冒険者め、今すぐ送ってやる!」
そして、ここぞというときに、やみくもにと言うべきか、オオカミは怒りの頂点に達し、
クロムに襲い掛かった。クロムも身体が濡れている。
オオカミは道連れに、クロムと一緒に雷の餌食にしようとするのだ。
クロムは後ずさりしたが、ある程度距離が来たところで、クロムは3mほどの槍を狼に向かって投げた。
オオカミに当てようとするのだが、惜しい、距離が届かない。
槍は惜しくも地面に刺さり、ゆらゆらと反動で動いていた。
—ちょうどその時だった。
激しい稲光があたりを明るく照らし、その後、落雷が起こった。
しかもちょうど、投げ槍のほうに雷が落ちたのだ。
「ガア!」
オオカミの悲鳴と共に、雷は地面を貫いた。集団でオオカミはかたまって動かなかった。
即死だ。クロムは一番背の高いところに雷は落ちると知っていて、
故意的に槍を投げたのだ。
だが、何故クロムは落雷に当たらなかったのか?答えは簡単だ。
ゴム製の靴をはいていて、落雷から身を守っていたのだ。
クロムは勝ち誇って胸をはり、その場を去った。
ちょうどそのときだ。クロムは一瞬血の気が引いた。
女の子が出血をし、倒れている。
その隣には—