ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: Real? ( No.3 )
日時: 2010/11/19 17:47
名前: 騎士学 ◆wWr1IKfGtA (ID: EUGuRcEV)

第1話 『少年と男』

大きなレンガ造りの建物だ。

逞しいその風貌に見惚れるその建物は、
ドレット大学といい、数々の名声を誇る教授が数多くいる。


その地下9階には眠っているある人物がいた。
名誉あるドレット大学の教授の息子だ。
その息子は生まれたときから全身麻痺、知的障害を患っており、
その静かに横たわっているベッドの周りには、
機械がオシログラフや心電図やらと、何から何まで機械が取り付けられてある。
規則正しくブザー音が鳴っては、
広い部屋に鳴り響く。


すると、その部屋にある男がやってきた。
男は、右手に試験管を持ち、横たわっている青年を見る。


そして男は青年に話しかける。

「ジャック、お前はもうじき目覚め、自由に動き、話すことが出来るだろう。
それを父さんは、今に楽しみにしているよ」

男はジャックの父親で、この大学の教授をしているケルゲン。
彼は、その部屋にあるマイクに向かって喋った。

「こちら、地下9階より、こちら、地下9階より。
ジャック医療グループ、およびペーター・ガガーリン人工医療研究長ならびに研究員、
ドレーク・ミルドロ医療研究長、ならびに研究員、
ドルセスガルザ総合医院長を、至急地下9階にてお越し願う。」

そう話し終えると、横たわっている少年の周りで、ケルゲンはてきぱきと準備を始める。
医療器具をせっせと運び、真ん中の手術台にジャックを横たわらせる。
最初は暗くてよく見えなかったが、

手術台の照明がついたとき、
ジャックは青白く、血の気は全くない。
まるで息絶えた人間のように、ぴくりとも動かず、ただされるがままだった。