ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 銀の炎 <オリキャラ募集> ( No.48 )
- 日時: 2010/10/12 18:32
- 名前: 杵島 茄武 ◆wWr1IKfGtA (ID: EUGuRcEV)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode
後編
ポリスロイドの足音が近い。
クロムはもっと奥のほうへ這って行った。
奥へ奥へ進んでいくうちに、クロムの息がこだまするようになった。
どうやら大広間のような空間にあたったのだ。
クロムは立ち上がり、見回す。
(だが何も見えないことは周知であろう)
ポリスロイドも追ってはこない、そして何故だかやけに暖かく感じる。
クロムはここで一休みしてから、元に戻るつもりだ。
すると、なにか物音がした。ポリスロイドか?
クロムはマントで身を隠す。物音は次第に動物の鳴き声に聞こえる。
猿がここで温まっているのか?
だがそんな感じはしない。何か上から落ちてきた。しかもかなり重量のあるものだ。
次はクロムの体に当たった。次から次へクロムの体に何かが当たる。
そして爪か何かで体中を引っかかれる。
ポリスロイドの手先か?いや、多分違う。落ちたものを手探りで拾った。
そしてそれが何だかを当ててみる。
まず動いていて、硬い毛で覆われ、なにか薄い皮膚があり、ところどころ筋が通っている。
大きさはクロムの顔ぐらい
……コウモリだ!
コウモリらしき動物は、クロムに当り散らし、服を噛みちぎる。
だがこんなに暗いと、むやみに攻撃は出来ない。
むしろ変に攻撃すると、コウモリは更に勢力を増すだろう。
もしかしたら、クロムを餌と思って攻撃しているのか?
クロムはどうしようもなかった。体中は傷だらけになる。
クロムは頭を手で覆い、蹲るしかなかった。
しばらくして、動物の声がまた聞こえた。コウモリのキンとした声とは違う。
猛獣のような声。コウモリを餌としているのか、はたまた自分が餌か。
その獣はクロムに近づいてくる。クロムは短剣を握り、近づいた地点で刺そうとした。
だがその獣は、硬い毛と人間のような髪の毛ぐらいの柔らかい毛が混じっている。
その獣はひそひそ声で言った。
「動かないで」
クロムは言うとおりにした。獣の手はクロムの肩へ回し、洞窟の出口へと導いた。
出口の光を浴び、クロムの目が刺激されると、クロムはしばらく目をつぶった。
クロムは薄く目を開け、辺りを見回した。そこらは真っ白な白銀の世界だ。
そして人間のような獣の後ろにユキヒョウのような白い獣がいる。
そして、1軒のログハウスにクロム達は入っていった。