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Re: 銀の炎 <記念ピクチャー作成> ( No.77 )
日時: 2010/11/07 18:09
名前: 杵島 茄武 ◆wWr1IKfGtA (ID: EUGuRcEV)

第20話 『会議』

医療大学の寮に、ナオが仮住まいとして暮らしている。
そこに、黒いコートを着た男性がナオの寮に入ってきた。

ドアを開けて、鍵を閉め、チェーンもつけた。ナオはうなずき、開いている窓をすべて閉めた。


「で、どうなんだ」

ナオは黒いコートの男性に問いかけた。男性は、コートの裏に一枚のコピー用紙を取り出した。

「唯一の手がかりはこれだ」

ナオは読み終わると、うなじを引っかいた。

「ただの詩だね、手がかりはなんだい、アービン」

彼はアービン・マクリスタル。前にも言ったが、彼は外国人であり、
昔はアメリカ陸軍にいた、結構デキる奴だ。
アービンは手帳を開いた。

「この詩は、メガドルサ協会が結成したときの少し前にできた詩らしい。それだけだ」

「詩の作者は?」

「まだ分からんが、金剛というのは、ダイヤモンドの意味だ」

「もしかしたら、宝のありかか?」

「多分な」

2人は黙ったまま、この詩のどういう意味かを考え込んだ。

「手がかりはもう少し必要だな」

「だが気をつけろ、ナオ。メガドルサかなんかにぶち当たったら、無理に深入りしないほうがいい」

「もちろんだ」

アービンはパイプを取り出し、口にくわえた。

「いつも引っ張り回してすまない、なんせ私はこの身だからね」

「ふん、とんだタダ働きだぜ、この報酬は国からうんと頂くぜ」

ナオはこの国の研修医で、ヘタな事をすれば強制送還、日本へ送り出される。
だがアービンは自由と言ってもいいだろう。ただのこの国の住人だからだ。

ナオは窓を開けた。会議は終了したのだ。彼らは、
ここの国の異常な変化を探る個人的スパイを結成し、活動を続けている。