ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 銀の炎 <鳥人間現る!> ( No.79 )
日時: 2010/11/09 18:23
名前: 杵島 茄武 ◆wWr1IKfGtA (ID: EUGuRcEV)

後編

クロムも動物の看病を終え、リビングに戻ってきた。
シーボルトとクロムは、椅子に腰掛けた。シーボルトはさっきの患者についてクロムに明かした。

「……ということなんだが、一種のノイローゼという感じもしないでもないんだがね……」

クロムは冷蔵庫から水差しを取り出し、コップに水を入れながらシーボルトのほうへ振り向いた。

「思い切って手術でもしたらどうでしょう」

「何っ!鳥人間に改造すると?」

「そういうことです」

シーボルトはクロムの大胆な発言に少々躊躇したが、
クロムの笑みは、そういう意味ではないということを物語っていた。

「僕が言いたいのはですね」

クロムはシーボルトにあることを伝えた。
クロムも頭が切れるというか、どうしてそんな突拍子も無いことを思いつくのかは、
さすがにこの国の医学では証明できかねる。シーボルトも、その意見に賛成した。

そしてシーボルトは倉庫から1つのダンボールを持ってきた。

「いやはや、このために使われるとは思わなかった」

シーボルトが取り出したのはなんと、紙粘土型ギプスで、
従来のギプスとは違い、伸縮性、通気性、頑丈性に優れている。

日本ではまだ発明もされていないこのギプスは、のちの手術に使われることになる。