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Re: Real Flame... ( No.8 )
日時: 2010/09/10 18:27
名前: 杵島 茄武 ◆wWr1IKfGtA (ID: hAtlip/J)

第4話 『不法侵入者』

どことなく、あてもなく探し、流れるようにその場を去る。
それを時に身を任せる人、流れ者または風来坊。


クロムも例外ではなかった。ただただ興味津々な性格をしているだけで、
飽きたらその場を去るような性格だ。
だがクロムがある土地に入るまでは。


クロムが住んでいる所はジョレントスクよりも南東に位置する小さな町、クェネツク。
そこは家畜を中心とした、平地が自慢の町である。


やや古風な雰囲気で、弓、クロスボウ、投げ槍などの、
クェネツクの地形を生かした遠距離武器が主流である。
クロムはその弓道の息子で、弓矢はもちろん、両手剣も使いこなせる才能を持っている。

次期に弓道の主将となるために、冒険という経験をしなければならなかった。
それでクロムは冒険者となるのだ。
クロムは長年使ってきた片手半剣、バスタードソードと弓矢を片手に、
クロムは当ても無くさすらうことになる。


クロムの足取りはまだ軽かった。
ぬかるむ道を越え、野を越え、森を越え、どんな町につくのだろうと、期待でいっぱいだ。
そして、ごつごつした岩場が目に入ってきた。
緑の木は無く、谷が多い、殺風景な風景だ。
北西には少しくぼんだ盆地には川が流れており、その川を中心とした町がある。
クロムはそこを目指した。



だがしばらくして、そのごつごつした岩場は、クロムの出身の土地から程遠い感触で、
さすがのクロムも疲れが見えてきた。

そして、何かクロムの耳に雑音が聞こえた。