ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 銀の炎 <鳥人間現る!> ( No.82 )
日時: 2010/11/13 21:33
名前: 杵島 茄武 ◆wWr1IKfGtA (ID: EUGuRcEV)

1話〜22話まで読み終わった上、お読みください

*

何週間か経ち、すっかり鳥へと姿を変えたティムソンは、随分と調子がよさそうだ。

「……せ」

「おっと、喋らない約束だろう」

「……ヒューイ」

ティムソンは口笛を吹いてシーボルトとクロムにお礼を伝えた。
クロムはにっこりしながらティムソンの肩に手を置いた。

「さあ、今日は森へ返す、体に気をつけて」

クロムはティムソンをおぶり、比較的標高の高い岩山から、ティムソンを離した。

(クロム、シーボルト先生、このご恩は忘れません、きっとこのご恩は返します)

ティムソンは腕の翼をいっぱいに広げ、滑空して飛び立っていった。
クロムは名残惜しそうな顔を一つせず、大きく腕を振った。


「また会えるといいね!」


ティムソンは野生の鳥として、新しい人生を踏み出したのだった。