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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 銀の炎 <鳥人間現る!> ( No.85 )
- 日時: 2010/11/14 19:06
- 名前: 杵島 茄武 ◆wWr1IKfGtA (ID: EUGuRcEV)
第23話 『城』 前編
「協会長、研究所から実験体が逃げました。わたくしどもは最善を尽くしましたが、
何者かにより脱走を手助けした模様です」
紺色のドレスを身にまとい、上品さが漂う女性は、
協会長に今までの報告を述べた。協会長は、白いローブだけの、質素な感じだ。
だが、次に発した言葉はまだ若い男の声だ。
「何をやっている……国中を騒がせてでも捕らえるんだ!これでは俺たちの超秘密事業が台無しだ!」
「申し訳ありません、協会長」
「兵とヘリを2倍にしてでも探し出せ!」
「かしこまりました」
協会長はいらいらした様子でテーブルを荒々しく叩いた。
ドレスの女性は、その場を後にした。
エレヴェータを乗り継ぎ、次の自動ドアが開くと、そこは天井が突き抜けた広い空間が漂っていた。
天井は、ドーム状になっており、女性は一番高い、教壇のような場所に立った。
下を眺めれば、ざっと10000ほどのロボットが立っていた。
女性が声を張り上げると、ロボットは一斉に顔をあげた。
「ティムソン・アレンスキーを、72時間以内に捜索せよ、
ティムソン・アレンスキーについて知っているものがいれば、
直ちに身柄を拘束し、事情を搾り出すんだ。
抵抗するようなまねがあるなら、留置所にぶち込むのだ!」
「ラジャッ!」
白いロボット兵達は左腕を潔く上げて、
ちりぢりとなって捜索を開始した。
女性はまだ若いというのに、よく10000のロボットを操れるものだ。
保留
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