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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Hated ( No.6 )
- 日時: 2010/08/23 02:42
- 名前: 葵 (ID: NRAsdfzb)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode
間詩 01
鳥には、空を飛ぶ為の羽がある。言い換えればそれは、空を飛ぶだけの物。
進化の中で鳥が、空を羽ばたける大きな翼を得たのは、それ程に空は美しく青く見え、そして翼は生きる為に必要だと考えたのか?
—もしそうだとするなら、地を選んだ人間がどうして鳥よりも優れた能力を持ち、捕食する側に回っているのだろう。
目の前に広がる、広大で青く輝やくそれは、手を伸ばせば掴む事が出来る。
当たり前にある空間は、いつでも目に映る。
—それなのに
鳥はどうして、゛翼を得て空を飛ぶ゛と言う、選択肢を選んだのだろうか。
人間だって空を飛びたいと本気で願うもの達が居たのと同じように、鳥の中にも、もしかしたら地を素早く動き、水の中を泳ぎ、知能が欲しいと願う物も居るかもしれない。
翼があるのに、折れてしまったりして十分に飛べない鳥は、翼を持って生まれて来た自分を呪うかも知れない。
否、鳥達が飛んでいるのが普通である事を呪うのかもしれない。
だけれど、命を失うか、翼を失うか、その2択だったら翼を失う方がいいに決まっている。在った方ががいい?、そんな生易しい物じゃない。
私だってそうだ。両足と生命を天秤に掛けるなら、迷わず生命を取る。
在る事が普通で当たり前、そんな事に何の疑問も持たないけれど。
誰もがそう望んだとは限らない。
進化の中で望んだ事が、悪い事だとも限らない。
それは゛運命゛と言う物。
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