ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Hated .オリキャラ募集中 ( No.8 )
- 日時: 2010/09/12 19:25
- 名前: 葵 (ID: NRAsdfzb)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode
「煩い!」
目を開けた。息が、乱れていた。
部屋は仄かに階段の明かりが漏れていた。あの暗闇ではなかった。口にした言葉は、確かに現実となって出てきた。あのままだったら?そんな事分かりそうにないけど。
「あー、って言うか私、制服じゃん。」
着替えなきゃ、そう思って、先に鞄を置きに行く。
脱いだスカートは皺くちゃだった。
時計を横目で見ると、午後8時を指していた。なんだそれ程立っていないじゃないかと思いながら、部屋着のTシャツとジャージのズボンを着た。
「おかーさん。」
「何?」
「夕ご飯は?」
「今作ってる。いやぁ、なんか面倒臭くて遅くなっちゃった。ごめーん。」
「いやいや、ごめーんて何ごめーんて。まぁ、気にしてないけど。」
リビングのテーブルに置いてあったお茶をがぶ飲みした。なんかすんごく目覚めが悪かったせいで気持ち悪い。
「流花。なんかあった?」
不意に聞かれた。
「や、別に。」
「でもさぁ、なんかあんたいっつもハイテンションだから、普通だとびっくりするんだけど。」
「そう?」
「うん、そう。舐めちゃいかーんぜよ。」
結局その日は、夜はぐっすり寝たのに何事も無く。
母親との会話と、やけに作るの遅かったくせに時間のかかった料理の味と、夢と現実の堺の様な、妙に現実味の沸かない感覚が手のひらに残っていた。
こんな日常は、いつもの事なのに。
これから゛日常゛が、日常では無くなってしまうかもしれない。こんな会話が、消えてしまうかもしれない。
夢物語はどっちなのだろう。現実と夢と、どちらが本当だったのだろう。
それすら分からないなんて。
現実は忙しなく事進んでいた。薇は、少しずつ回り続ける。