ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 『lost world 荒廃した世界』 ( No.2 )
- 日時: 2010/08/22 21:41
- 名前: 遊太 (ID: U3CBWc3a)
ガッガ・・・・ピーーーーー
━━━━━━
2030年 12月10日 日曜日
車道に散らばる建物の残骸、ガラスの破片、複数の使いきった銃やバズーカ砲。
迷彩柄の防弾チョッキにマシンガン抱えて歩く青年は、崩れた建物を見上げながら、表情を変える。
「東京には見えないな・・・・」
「ホープ!!こっちに来てくれ!!!!」
ホープと呼ばれた青年が後ろを振り向くと、黄色のツンツン髪をした男が、どこかに指を指していた。
ホープがその方向を見ると、あの有名な「渋谷109」が不気味に聳え立っていた。
男の手にもマシンガンがあり、服装はホープと同じである。
ガラスの破片の上を音を鳴らしながら歩き、その男はホープに近づく。
「急ごうぜ、次のポイントにキャンプがあるらしい。」
「まったく・・・自分たちの国でコソコソ動くのはおかしいものだな。」
「おいおい、軍曹がそんなこと言っていいのか?」
「もういい。ハヤブサ、早く行くぞ。」
ハヤブサと呼ばれた男は、陽気に口笛を吹きながら歩き始める。
ホープは防弾チョッキの胸ポケットから、普及されたGPSを取り出すと電源を入れた。
PSPの様な構造のGPSの画面には、黄色の斑点が2つ、4キロ先に赤い斑点が1つ。
「後4キロ弱だ。休憩なしで行くぞ。」
「あいよ、軍曹についてくぜ。」
ハヤブサはそう言うと、地面に転がっていた石ころを蹴飛ばす。
ホープはGPSを直すと、マシンガンを構えて歩き始める。
東京都渋谷区、そこはホープたちにとっては地獄の様な場所であった。
一昔前は、若者に人気のある場所であったが、今現在では腐敗したただの戦場だ。
渋谷区だけではない。東京、関東、日本がすべて戦場である。
時が経っても、経っても、経っても、戦争は終わらない。
ホープは、早くこの戦争を終わらせたくてたまらない気持ちで一杯である。
2人は、次のポイントへ向けてただただ、歩き続けるのであった。
━━━━━━━