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Re: 『lost world 荒廃した世界』キャスト更新♪ ( No.21 )
日時: 2010/08/26 10:39
名前: 遊太 (ID: U3CBWc3a)

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2030年 12月11日 月曜日


時間は止まらない。
夜が明けたと同時に、用田小太郎2等兵は息を引き取った。
隊員たち、光たちはマンション横の地面に穴を掘り、用田の遺体を埋める。
用田の手帳、武器や荷物を無造作に作られた墓の上に置き、光と他の隊員たちは手を合わせる。

「用田小太郎、安らかに眠ってくれ。必ず、この戦争は日本が勝つから、安心して逝ってくれ。」

光はそう言うと、振り向いてハヤブサを見る。
ハヤブサは光と目を合わせると頷き、腰に付けていたマシンガンを手に取る。

「行こう。今の俺らには、先へ進むしか道はないんだ。」

ハヤブサの言葉に、光は大きく頷くと、苑柿、椎島を呼ぶ。
苑柿はダルそうにガムを噛みながら現れ、その正反対に椎島は素早く光の前に来る。

「我々は先にレインボーブリッジへ向かい、未知の確保と安全を確認する。準備ができ次第行くぞ。」

「分かりました。」

「はいはい・・・」

苑柿の面倒くさそうな返事に、光は思わず睨みつけてしまう。
すると、苑柿は反省するどころか微笑してマンションに戻っていった。

「あいつは、少し教育の必要があるな。」

「ほっとけばいいのよ、ああいう奴に教育も何もないわよ。」

光の後ろから、桃山玲奈が笑いながら言う。
光は玲奈の顔を見ると、なぜか顔が赤くなっていくのを感じた。

「れ、玲奈曹長は彼をどう思います?」

「・・・・裏切り・・・・」


「え?」


「いや、なんでもないわ。早く行った方が良いんじゃない?」

玲奈の言葉で、光は腕時計を見る。
出発時刻が予想以上に遅れている。早く出発しないと、移動にも支障がでてしまう。

「よし、行くぞ!!!」

光の言葉で、ハヤブサ、椎島、苑柿はマンションを出た。
そして、廃化した東京の街を進み、レインボーブリッジを目指したのだった。


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「意外と強いじゃねえか・・・日本人も。」


光たちがいたマンションの近くに建つ高層ビルの屋上、ドレガーとマリー・モードリンが休んでいた。

「3人は殺され、残ったのは私たちだけですか・・・・・」

「ちょっと予想外だったな。それに、向こうでも何かあったらしい。応援もまだ来ない。」

「え?何かあったんですか?」

「さあな。NASAの実験施設で事故があったらしい。それしか分からん。」

「例の人間型核兵器の実験ですかね?」

マリーの言葉に、ドレガーは鼻で笑って首を傾げる。
持っていたマシンガンを置くと、持っていた鞄からサンドイッチとジュースを取り出す。

「あんなもの、俺は反対だ。とりあえず、朝食をとるぞ。」

「はぁ・・・。」

マリーも鞄からサンドイッチとジュースを取り出す。
すると、朝日が昇り始め、廃墟と化した東京は綺麗なオレンジ色に染まり始めた。
マリーとドレガーは思わず朝日に見とれ、戦争があっていることなど忘れてしまう。

「アメリカが勝って、丸く収まってやる。日本に勝ち目はない。」

「こちらにはロシア連邦もいますしね。絶対勝てますよ。」



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ロシア モスクワ州 中央連邦管区


年中雪が降るモスクワに大きく聳え立つ管理塔。
アメリカと協定を結んでから、経済は発展し、生活も豊かになっていた。

「ダン管理官、アメリカからの情報です。」

管理塔最上階である15階の管理官室に、一人の男性が入ってくる。
ダン・フリードマンは、緑色を基調した征服を来て、スキンヘッドの頭をペタペタと叩く。

「どういう情報だ?」

「NASAの実験施設で事故があったらしく、少しこちら側の隊員をよこせと・・・」


「却下だ。我々には関係ない。」


「ど、どう報告すれば・・・・」

「今の通りだ!!アメリカなんかに仲間を渡せるか!!!!」

ダンの大声で、男性隊員は大慌てで管理官室を出て行った。
アメリカとロシアは『米露第3友好協定』という協定を結んでいるが、なぜか仲が悪い。
時間が過ぎて行くにつれ、飽きっぽいロシアはアメリカとの交友が面倒になってきている。
ロシアは独裁主義になりつつある。


そして、再び何かが起ころうとしている____