ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 『lost world 荒廃した世界』 ( No.32 )
- 日時: 2010/08/29 12:21
- 名前: 遊太 (ID: U3CBWc3a)
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インヴィンシブル級航空母艦 潜水艇出入り口第1ハッチ
海からハッチの中に入り込んだ光、ハヤブサは静かに海面から顔を出した。
周りはゲームや映画で見るような構造だ。最早、口や文字で表現するのは難しい。
2人は止めてあった潜水艦の陰に隠れ、周りを細かく警戒する。
「敵はいないな。今から、コントロールルームに行き、速やかに奪取するぞ。」
「了解・・・・あ!!!!」
「誰だ!!!!」
2人が後ろを振り向くと、そこにはアメリカ兵がマシンガンを持って立っていた。
ハヤブサは一瞬「終わった」と感じたが、その直後に光はとんでもない行動を起こした。
「眠ってろ。」
光は回し蹴りをしながら振り向き、1人のアメリカ兵の腹部に蹴りは炸裂。
空中を舞い、地面に叩きつけられた。
「お前ら・・・・!!!!」
もう一人のアメリカ兵がマシンガンを光に向ける。
しかし、ハヤブサはマシンガンを蹴りあげ、そのままアメリカ兵の頭を掴むと床に叩きつけた。
辺りに鈍い音と何かが割れる音が響く。
「あ、危ない危ない・・・・・」
「こいつらの服とGPSを借りよう。その方が動きやすい。」
「そ、そうだな」
2人は気絶したアメリカ兵2人の服を脱がし、自分たちがその服を着る。
迷彩柄を基調としたアメリカ軍の服、GPSの色も迷彩柄だ。
2人は顔を合わせると、その場から急いで立ち去った。
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一方 東京 渋谷区
苑柿、椎島は例の4人の行方を捜していた。
仲間全員を殺し、その場にいなかった桃山曹長、山本大佐、遠藤中尉、小宮山中佐。
彼らが必ず、何かを握っている筈だ。
「おい・・・一体どこにいやがんだぁぁ!!!!!」
「ちょっと!!そんな声出さないでください。敵がいたらどうするんですか。」
「んなこと言ってられっか!!!仲間殺されたんだぞ!!!!」
苑柿は髪を掻き毟ると、マシンガンを持ったままあたりをキョロキョロと見渡す。
しかし、人の姿は愚か、人の気配がない。
「GPSで居場所わかるかな・・・・」
「無理に決まってんだろ。場所が遠ければ繋がるはず・・・・」
「あっ・・・・あぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
苑柿は突然叫んだ椎島に驚き、思わず体をビクリとさせる。
苑柿が振り向くと、そこにはGPSを見て驚愕している椎島がいる。
「な、なんだよ・・・・・」
「反応が1つだけ・・・・・その車の裏・・・・」
椎島は車道の脇に止めてある一台の軽自動車を指す。
苑柿は椎島の顔を一度見ると、恐る恐るマシンガンを構えて車の裏へ向かう。
「う、うらぁぁぁぁ!!!!!」
恐怖を大声でかき消し、苑柿は勢いよく車の裏を見た。
すると、そこには誰かのGPSが落ちていた。
「だ、誰のだ?」
苑柿がGPSに手を伸ばしたその直後だった。
「あっ・・・・・うっ・・・・・・」
「え?」
突然聞こえた呻き声に、苑柿はふと車の中を見た。
するとそこには、血まみれで腸が飛び出した小宮山中佐の姿があった。
「ちゅ、中佐!!!」
苑柿は大慌てでドアを開け、小宮山に大声で呼びかける。
しかし、小宮山はすでに出血多量で瀕死の状態だ。
車の中に広がる血と、血の匂いがそれを訴えかけている。
「う・・・・裏切り・・・・・し・・・ま・・・」
「裏切り?しま?」
小宮山は謎の言葉を残し、首をブランとさせ息絶えた。
裏切り、しま、桃山曹長─────
死んでいく者が残す謎の言葉に、苑柿は頭を抱える。
しかし、これだけは確信できた。
我々の山本大佐の部隊に・・・・・
裏切り者がいる________