ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 『lost world 荒廃した世界』 ( No.9 )
日時: 2010/08/25 14:36
名前: 遊太 (ID: U3CBWc3a)

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「熱探知機ゴーグルに反応あり。」

「どこだ?」

「あのマンションです。」

ドレガー率いる5人組は、現在三木達が拠点としているマンションの近くまで来ていた。
ドレガーはマシンガンを握りしめると、不気味に微笑み後ろを振り向く。

「俺は真正面、残りの者はガトリングでマンションを攻撃しろ。」

「了解。」

4人は背中に抱えているガトリングを両手で持つと、それぞれの配置に着く。
ドレガーは素早くマンションの前に来ると、エントランスのたき火を確認した。
見張りはいない。ドレガーは腰から手榴弾を2つ取り、安全ピンを抜く。
そして、エントランスめがけて投げ飛ばした。

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「それでは、明日の移動についての会議を始める。」

2階に上がった手前の部屋で、明日の移動任務についての会議が始まった。
山本大佐、光を含めた男性3人、女性2人が会議に参加している。
これといった椅子、机はなく、立った状態で会議は行われていた。

「明日の明け方に移動を開始。港区まで歩き、レインボーブリッジを渡って千葉県へ突入する。」

「え?レインボーブリッジはまだ偵察が終わっていません。危ないのでは?」

山本の横にいる女性、桃山玲奈はショートヘアーを靡かせながら言う。
桃山の言葉に、山本は口を瞑らせ何度か頷く。

「桃山玲奈曹長、君の意見についてだが、レインボーブリッジは大丈夫だ。」

「確信があるのですか?」

「あそこには、違う部隊がすでに滞在中だ。」

「違う部隊?どこの部隊です?」

「川本大尉がいる部隊だ。まあ、そのことについては心配しないでくれ。後は、部隊編成なんだが。」

山本は持っていた編成リストを見ながら、三木に視線を移す。
光は首を傾げ、ほかの隊員たちの顔を見た。

「三吉君はハヤブサ伍長、苑柿一等兵、椎島兵長との4人1組で、早めに出発をお願いしたい。」

「・・・・・早めに?」

「念のためだ。道の確保を頼む。」

「了解。」

「それでは、会議を終了する。明日に備えて、早く寝るように。」

山本がその場にいる全員に言った直後だった。



ドォォォォォォン!!!!!!!!!



突然の轟音と共に、マンションが大きく揺れて1階から悲鳴が上がる。
光はバランスを崩して床に倒れ、山本は顔色を変えて窓に駆け寄った。

「敵襲だ!!!全員戦闘準備を!!!」

山本の叫び声で、光は急いで1階に向かい、荷物からマシンガンを取り出してエントランスへ向かう。
すると、たき火の残骸や負傷した隊員たちが床に転がり、呻き声をあげて怪我した場所を押さえている。

「ハヤブサ!!どこだ!!!」

「光!!ここだ!!!!」

エントランスと廊下を挟み、ハヤブサはほかの隊員たちと共に敵との銃撃戦を行っていた。
飛び交う銃弾に、一瞬光は足を止めて唖然とする。
昔の平和な世の中と現実が脳の中で勝手に比較され、突然襲い掛かる恐怖と絶望感。

「光!!援護を!!!」

ハヤブサの言葉で、光は現実へと意識を戻した。
マシンガンを握り、エントランスに飛び出してマシンガンをぶっ放す。

「おらおらおらおら!!!!!!!」

無数の弾丸を光は裸眼で見切り、数センチのところで素早く避ける。
マシンガンを外へ向かって撃つが、相手の攻撃の威力は一切変化がない。

「くそっ!!暗くて敵が何人いるのか・・・・」

「外へ飛び出す!!ハヤブサ、行くぞ!!」

「おう!!」

光の言葉で、2人はマシンガンを両手に外へ飛び出した。