ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: タンテイブ ( No.3 )
- 日時: 2010/08/25 11:11
- 名前: ガイ (ID: HQL6T6.Y)
第2話
まだ5月なのに今年はとても暑い。地球温暖化が原因らしいが、ホント勘弁してほしい。
学校に着いた俺は下駄箱で靴を履き替え、3年1組に向かった。
ここ稲城中学校は100年の歴史がある由緒正しい学校だ。その歴史のせいもあるのか変な部活が多い。例えば株式研究部。株の変動を予想したりするらしい。あと、放送部。校内放送はもちろん、教室に各1台づつ置いてあるテレビで校内ニュースをしたりする。そして……
「響ー介!」
背後から声がする。朝っぱらからこんな明るい奴はあいつしかいないだろう。
中川綾人。長髪で明るい奴。背も高く、一部の女子からは人気があると聞いている。俺と仲がいい。俺と綾人は映画研究部という部活に入っている。映画好きの綾人に誘われた。綾人は何やら熱心にやってるが、なんとなく入った俺はほぼ何もやってない。
「朝っぱらからうるさいな」
「いいじゃん。もっと楽しく生きなさいよ」
「はいはい」
綾人とは小中と全て同じクラスだ。あいつが言うには「俺たちは赤い糸で結ばれている」らしい。赤い糸って恋人同士のことだろ、とツッコミを入れたが、まるで気にしていないようだ。まあ俺たちの関係は親友ということ。
「そう言えばさ、今日転校生が来るらしいぜ」
綾人の転校生という言葉に俺の耳はピクリと反応した。ホント今日はいい日になりそうだ。
「可愛い女の子だったらいいなー」
……こいつ俺と同じこと考えている。なんか恥ずかしくなってくる。まあ、男子はそういうことを考える生き物なのだ。
いつの間にか3年1組の教室に着いていた。
鞄をしまい席に着くと何てタイミングがいいのかチャイムが鳴り、担任の浜田勉が教室に入ってきた。彼は生徒の中では「はまべん」と呼ばれている。ある生徒が「つとむ」という字を「べん」と読んでしまったことかららしい。数学教師なのだが授業が面白くなく、すぐに呼び出しをするので、生徒にはあまり好かれていない。ちなみに「じゃあ」が口癖。
「じゃあ、先生の話の前にこのクラスに転校生が来たから、じゃあその人に自己紹介してもらいます。じゃあ入ってきて」
はまべんが廊下に向かって手招きする。
いよいよだ!