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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: タンテイブ ( No.8 )
- 日時: 2010/08/25 16:18
- 名前: ガイ (ID: HQL6T6.Y)
第5話
「で、その時のことを詳しく教えて」
「はい。ちょうどこの辺りを歩いていたら後ろから車の音が聞こえてきたんです。車が来るななんて思ってたら急に手が伸びてきて、鞄を盗られたんです」
「車に乗ってる奴に盗られたんだ。で、その車の特徴は?」
「鞄を盗られた時、私倒れちゃったんです。だから犯人の顔は見ていません。それと機種も……。でもこれだけは覚えています。黒い車でした。それでその車の行った方向を見たら、車がここの駐車場に入っていたんです」
今気づいたが、俺たちの横には駐車場があった。『稲城パーキング』と書かれた看板がある。
百瀬はここを指差している。
「この中には行ったの?」
俺の問いに百瀬は首を横に振った。そして話を続ける。
「もし中にひったくり犯がいたら怖かったので見ていません。でも駐車場から外に出る出口はここにしかないので、見張っていたら誰も出てきませんでした」
「てことは犯人はまだこの駐車場にいるということか」
いつの間にやら百瀬の言葉から立ち直っていた綾人に台詞を横取りされた。いつもなら「俺の言葉だろ!」とか反論してたが、今はそういう状況ではない。
「とりあえず駐車場を見てみよう」
俺たちは中に入った。
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