ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: タンテイブ ( No.9 )
日時: 2010/08/25 17:26
名前: ガイ (ID: HQL6T6.Y)

第6話

 ここは駐車場といっても、下に砂利を敷き詰めただけの簡単にできたものだ。しかし悪戯防止のためか駐車場の周りを覆う柵だけは厳重にしてある。つまり百瀬の言う通り出口は1つしかない。
 車は駐車場の半分くらいをうめている。黒い車はそのまた半分くらい。
 手分けして詳しく見てみると黒い車のに乗っている人はいた。事件解決かと思ったがそれは違った。推理小説みたいな展開になった。
 
「えっ!?人が乗っている黒い車は3台あるって?」
「ということは犯人は3台のうちの誰かが犯人というわけか」
「そうだな。で、その3台はどこ?」
「今連れてきますね」

 数分後、犯人候補の4人が集まった。
 「ひったくりが起こったんです」と説明すると、その人達から話を聞くことができた。その人達から話を聞き終わると俺たちは1度整理してみることにした。

「候補①ひ弱そうな顔をしている田中正三たなかしょうぞうさん、46歳。候補②大学生の金田翔かなだしょうさん、23歳と、その彼女の小西亜弥こにしあやさん、22歳。そして最期に候補③ゴリラみたいな顔をしてる権堂源三郎ごんどうげんざぶろうさん、38歳。響介、何か分かるか?」

 う〜ん。3人の車は機種こそ違うが、黒色のセダンで同じようなもの。百瀬の記憶は頼りにならない。
 
「早くしてくれないかな」

 ゴリラ顔の権堂が嫌そうな顔をした。他の3人も同じような顔をしている。せかさないでほしいけどそれも無理な話。
 う〜ん。どうすれば……ハッ!
 俺の頭の中で何かが光った。これが分かれば犯人は特定できるぞ。

「百瀬さん、ひったくられた時、道の左側か右側どちらを歩いていました?」
「えっ、確か左側だったけど……」

 やっぱりな。犯人はあいつだ。思わず口が緩んでしまう。
 そんな俺に綾人が声をかける。

「どうしたんだよ。顔が気持ち悪いことになってるぞ」
「気持ち悪いとは失礼な。まあいいや。みなさん犯人が分かりました」