ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 嘘吐少年の狂日 ( No.10 )
日時: 2010/08/24 07:18
名前: 時雨 (ID: bQbYMR0G)

二話「始動開始」


次の日学校に行くと岡久がいなくなっていた。

転校したらしい。


……もしかしたら昨日のあれか?



岡久って情報を得るためにここへ来たのか?


こっちに来たのも1ヶ月ぐらい前だし。



透が家の前に倒れていたころと同じ。


透も岡久が来ても怒らなかったから初めからあのことで来ることを予想してたのかも。





そういえば、僕は透に言いたいことがあったはずなんだけど……なんだったっけ。


僕の記憶力が破滅的なのは本当だな。


たしか…たしか………、ああ、あれだ。

今すぐ訊きたいけど学校どうしよう。




…早退しよ。








「で、帰ってきたんだねっ」


今日はやけにハイテンションだな。


「ま、お兄ちゃん頭いいし大学行けずに就職できなくてもそれなりに生きていけるお金があるもんね。退学とかどうでもいいもんね。この自由人ー」


天才に言われるとなんか本当にそうみたいで困る。


「十四歳のくせに家でパソコンやってる人のほうが自由人だと思うんだけど」

しかも逃走中。

たしかに僕も自由してるけれども。


「それもそうだね。…で、お兄ちゃんが訊きたいこと、だいたい予想してるんだ。昨日の盗み聞きのやつだよね」

ばれてたのか。

「分かってるなら教えてよ」

「やだ」

即答。

早いな。
少し考えてから言ってほしい。

「なんでまた」


「これはね忠告だよ。僕だってお兄ちゃんに怪我させたくないもん。

嘘でもいいから諦めて」