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Re: 嘘吐少年の狂日 返信100突破そして参照も500突破!  ( No.105 )
日時: 2010/10/30 09:25
名前: 時雨 (ID: bQbYMR0G)

道のりはあっているのだろうか。

ここ一帯黒いぞ。


誰一人としていない場所。
僕がよくいくあの広場みたいな感じがする。

「ここにはちょっとした結界を張ってるの。好奇心できた人達が魔罪屋を見つけないように」

僕に背を向けていた餡子ちゃんが顔を少し僕の方へ向けて言う。
…心が読めるのか?
と疑問も思ったが思うのをやめた。
そのかわり
「そうしなくても誰もこないと思うよ」
と僕の体験の結果を伝えた。

本当にここがあの広場と同じなら、絶対に誰も入ってこない。
あの時の澪ちゃんみたいについてくるか、こいつみたいに反対の自分がいるか意外だったら。

「…何、突っ立ったままなの?」

「え…、いや」

そういえば建物らしきものがない。
辺りには黒い木がさしたように立っているだけ。

「ここよ」

ため息混じりに言った餡子ちゃんが向かった先は——木の中だった。


「へ…?」


不意に出てしまった声。
しかもなんて言えばいいのかわからず、驚いてるような呆れてるような疑問系のような声だ。

餡子ちゃんは立っている木のなかでも特に大きい木に入っていったのだ。
木の中に吸い込まれたといってもいい。
手を当てたとたんなにかの空間に体を滑らせたような。

「何してるの、早くきなさい」

「……っ」

今度は声がでなかった。

餡子ちゃんがさっき入った木の中から出てきたのだ。
ある一点を中心にぼんっと。


「……さっき言ったとおりここには結界をしてあるの」


僕たちの表情から読み取ったのか、説明をし始めた。

「本当は中に入って説明したかったけど、あなたたち入ってこないから」

「ごめん」

素直に謝る。
というか無理だろ。
少しくらいは警戒するから。

内心ちょっと慌ててるぼくに気づかずに話し始める。

「一応、この森の結界が解けたときように魔罪屋じしんにも結界をかけた。それだけ」

餡子ちゃんは早く説明を終わらせるととっとと中に入ってしまった。


…って納得しにくいんだけど。


疑問に思ったが、まぁ騙されたと思って手を木にくっつけた。