ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 嘘吐少年の狂日   ( No.115 )
日時: 2010/11/08 00:00
名前: 時雨 (ID: bQbYMR0G)

「夜鐘君、勝ったといっても引き分けに近いんだよ。そう目を光らせないで」

「そうですよ、大人気ない。黒丸さんの時もそうでしたが、強い人を見つけると飛びつく癖、やめたほうがいいです」


そういえば、黒丸さんの時もやろうとしてたんだっけ。
たしか、サポート役の人に止められたらしいけど……。

あれ?

「どうして葛雲君がそのことを?」

「あ、僕はその時夜鐘先輩のサポート役だったんですよ」

あ、なるほど。
そういう関係か。

「じゃあ、君は闇凰財閥からここへ来たのか」
「いえ、僕がここから派遣されて、またここへ帰ってきたんです」

元・魔罪屋で、闇凰財閥にきて、また現にいたると。
複雑だ。
でも、そっか。
夜鐘とはこれで知り合ったのか。

「そういえば、透君からのものは持ってきたのかい?」

「………」

すっかり忘れていた。

僕は一つのメモリーチップを取り出した。

「よかった、よかった」

裁羅さんは本当に安心しているようだ。

「あの、これって何ですか?透からも説明してもらったんですけど、分からなくて」

僕は持ってきたメモリーチップを指した。
透はこれをとてもすごいもののように言っていたが。

こんな小さなものに……

というのが今の僕の感想。

あと、透が好きな店長がいるからといって、こんな大事なメモリーチップを渡すこと。
万屋に必要なものが入っているとはいえ、四名や財閥の弱みを握るものにもなるんじゃないか?

裁羅さんは少し考えて、

「これは、魔罪屋のほとんどの人が知らないことなんだけど……」

と。

「なんですか」

訊かないわけにはいかないだろう。

「そこにいる葛雲君と扉の向こうにいる餡子ちゃんだけが知っているんだ。他の人は依頼に行ってるし、いいかな」

裁羅さんはメモリーチップを机においた。

「夜鐘君は知っていると思うが、透君にはその人を守る者が計七人いるんだ」


裁羅さんは続けた。


       ガーディアン
「皆はそれを守護者 と呼んでいる」