ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 嘘吐少年の狂日 ( No.127 )
- 日時: 2010/11/27 19:08
- 名前: 時雨 (ID: bQbYMR0G)
澪ちゃんが殺された。
話を変えられたが、殺されたのはこの近くらしい。
あとからでも訊けるだろうと、透をあとにした。
零無澪。
学校にいたころの名前は岡本澪だった。
透を探していたらしい。
僕は澪ちゃんが人を殺しているシーンに遭遇。
目を奪われる。
透に訊いて、澪ちゃんとあの広場で話。
嘘をついてしまった。がばれる。
そして零無だということを知る。
いったん離れて、何日か後に会う。
零無家へレッツゴー。
“猫”の話になって、終わって、さよなら。
以降会ってない。
んで、今日。
現場についた。
場所、あの広場。
誰も……いる。
自分からここへ来る人はいないだろう。
だから、澪ちゃんが殺されたという情報を知ってここへきたか。
それか、そいつが殺したか。
どちらにしても嫌だ。
その人は僕に気づいたみたいだ。
澪ちゃんから離れ、近づいてきた。
その男は黒い袴に羽織を着た男で、黒い髪を後ろに束ねている。
パッと見裁羅さんに似ているが、歳と目の下にある隈で違う人だと分かる。
悲しそうな顔をしていて、殺したのはその人ではないと分かった。
「あなたが殺ったんですか」
一応訊いてみる。
「……違うよ、嘘吐き君」
「…あなたは?」
「……自分から名乗るのが礼儀なんじゃ…別にいいや。…僕は蒼裏深夜、よろしく」
蒼裏……?
たしか四名の一つ。だったような。
「でも、ここへ来たのは蒼裏としてじゃないよ……。もう一つの方だから」
「え…」
「もう隊長から訊いたよね……」
なーるほど。
知りたいなら、自分で行けってか。
「あなた、守護者ですね」
将軍は透のことか。
「……君、自己紹介は?」
「ああ、そうですね。僕は、逢沢縁です」
「……逢沢?」
「嘘じゃないですから。本名です」
「いや、そういう意味じゃ……まぁいいや」
…なんなんだろう。
そういえば、裁羅さんもおかしなことを言ってたような。
深夜さんは僕の横を通りすぎ「…じゃあ」と軽く挨拶して去っていった。
あの袴姿で街中を歩くのかと思ったら心配でたまらないんだけど。
とりあえず。
「…はぁ、澪ちゃんがなぁ」
かなりキテルンダ、頭ニ。
てあらら、カタカナになっちゃったよ。
はっきり言うと初恋は澪ちゃんだ。
いや、おかしなことじゃないぜ?
裏の世界で生きてるくせに、一般人に似ている!!
変人ぞろいの僕の近人に比べれば全然。
透は知っているかどうかは知らないが。
僕が澪ちゃんのとこに一直線に言ったことからバレたかな。
深夜さんが去ったのが僕への遠慮だったのなら、バレバレだったかな。
「…澪ちゃんにばれてないなら、それでいいんだけどさ」
ていうかどうやって殺したんだろう。
傷跡が見つからない。
殺された澪ちゃんはあとから来た、癒毬さんのとこへ預けられた。