ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 嘘吐少年の狂日   ( No.133 )
日時: 2010/12/13 14:26
名前: 時雨 (ID: bQbYMR0G)

九話「真実」

僕はなにも知らない。
透のこと。

……なんか恋愛してる女みたいなのでさっきの無し。
やめやめ。

透は誰にも追われてないことぐらい、いつだっけ、気づいた。
夜鐘に会った時かなぁ。

あいつが僕が学校に行ってる間に家に出入りしてたみたいなことをいった。
裏の世界で有名な闇凰の殺人鬼が家に入ってるのになんで気づかないんだろう。とか。

それからどんどん行くと、なるほどってね。
追われてないなら自分の家に帰ればいいのに、とか思いながらおいてたけど。
限界がきたって感じだったな。

「ここを、右……。え」

地図どおりに進んだ、よね。
……いや、あー、うん。

黒陰団のアジトにしかみえねぇよ。
でも玖桜さんが僕をはめれるわけないし。

ドアを引いた。
……押すほうだった。

「よぉ」
「…………………なんで来るって分かったんですか」
「さっき女から電話がきてな」

玖桜さん、はめた?
よりによって黒丸さんかよ。

「前の恨みは無しですよ。裁羅さんが帳消しにしたみたいですし」
「……あの野郎。残念だったな、今日はお前みたいに口だけなやつを倒すためにいるんじゃねぇ」

おお、やった。
ガチでぶつかったら絶対やられる。
ガチでやらなくてもやられる。
嘘、通用すればどうにかなるけど。

「あいつに用があるんだろ」
「あいつ……?」
「まぁ、来い」

無理やり引きずられた。
腕もたれて、……かなり痛い。
歩けるんだけど、離してくれないかな。

言えないよなー。
短気みたいな感じだし。

「ここだ」
「……はぁ」

なんか、ドアの前につれてこられた。
入ってきたドアとそう変わらない。
押すほうかな。

「入れ。俺たちはここから入れないからな」
「?……はい」

押した。
……今度は引くほうだった。

「あのー……」
「何、嘘つき君」
「…っ」

びっくりした。
隣にるとか、わかんなかった。

「えっと、あなたに聞きたいことが……というか、あなたが玖桜さんの知り合いですか?」

あの人、知り合いの名前も教えてくれなかった。

「そうだよ。私は鳳鼎っていうんだ、よろしく」
「僕は……」
「いいよ、知ってるから。逢沢縁、嘘つき君だよね」
「……はい、そうです」

鼎さんはワンピースを着た女の人だ。
銀色の髪と紅い瞳をしている。
歳は、僕より一つ上ぐらい。
武器は、太刀。

ここんとこ日本人!て人が多い気がする。
餡子ちゃんとか、深夜さんとか裁羅さんとか。
この人は武器だけだけど。

「えーと、まず……」
「守護者と恐怖の透明。どっちから聞く?」
「守護者で」

…何なんだろう、この人。
見透かされては無いんだけど。
どれを聞くのか初めから考えてるのか。

「守護者は
 月宮弧々。
 時光玖桜。
 燎魏影喰。
 蒼裏深夜。
 高浅黄裁羅。
 啄木鳥黄彩。
 啄木鳥藍火。
の七人が守護者だよ。
弧々ちゃんは死んだから今は六人だけどね」

知らない人の名前が二人。
同じ名字からして双子か?

「ちなみに、高浅黄さんと蒼裏さん。嘘つき君も見たよね?そっくりじゃなかった?服装が」
「はい、服装がそっくりでした」

あえて顔は言わない。

「あの二人は兄弟だよ。たしかー、異母だったかな」
「そんなことまで言ってもいいんですか?」

「今の私は情報屋だからね。何でも好きなだけ教えてあげるよ」