ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 嘘吐少年の狂日 ( No.134 )
- 日時: 2010/12/21 14:46
- 名前: 時雨 (ID: bQbYMR0G)
「じゃぁ、今は守護者の名前はおいといて、」
「恐怖の透明だね。君さ、本当はこっちから聞きたかったのにあえてあっちから聞いたよね。楽しみはとっとくタイプ?」
残念ながらどっちも違ったりする。
さっきはもともと透は後からにして、驚くことにしていた。まぁあまり驚かないと思うけど。もう、ほとんど分かってるから。
いつもは邪魔になったらやるタイプだからね。
「もう分かってると思うけど、あの子は神凰の子だよ。しかもトップ中のトップ。財閥の核にあたるんよ」
「核?当主みたいなものですか?」
「…うーん、当主はちがうよ。あの子は当主を動かす、というか裏で財閥を動かしてるんだよ。あの子の指示で財閥が動くんだ。あえて表にはでないの」
難しいな。
まぁ、予想はあってたみたいだ。
だぶん読者も分かってるんだろうな。
「あとは、聞きたいことある?」
「いえ、ないです」
「うん、私も言うことはないよ。で、これからどうするの」
「透のところへ…、て、あ」
「知らないもんね、どこにいるか。よし、じゃ、これ」
「…なんですか」
一枚の手紙を渡された。
封筒に入った手紙。
この場面に渡すとしたら。
書いた人は
「透からですね」
「うん」
やっぱり。
封筒を開けて、便箋を出す。
そこには自分がいる場所が書いてあった。
ここにおいで、と。
「…話したいことがあるみたいだね」
「じゃぁ、僕行きます」
「まてまて。私もついていくよ」
「理由はなんですか」
「何か、隠してるみたいなんだよね。この子。それに
人数は多いにこしたことないし」
バンッ!
急にドアが勢いよく開いた。
「私も行くから」
玖桜さんだ。
僕の持っていた薙刀をとる。
一、二回振り回すとうん、とうなずく。
いや、うんじゃないから。
「守護者がいいんですか」
「もともと、近くでの護衛が仕事だったんだよ。透は自分から離れた、だからお前についていく。悪いか」
悪いとはいえなかった。
ちょっと心強い。
黒陰団を出ると
「おお、出てきた出てきた」
「先輩がいった通りですね」
夜鐘と、葛雲君。
その後ろに餡子ちゃん。
「どうしたの」
「店長が急に消えたんです。きっと……」
「で、あなたたちなら知ってると思ってここにきたの」
ここにいることがよく分かったな。
もしかしたら僕の家にいた玖桜さんから聞いたのかも。
「おまえは」
「面白そうだし、お前に危険がー、って察知」
嘘っぽいけど本当なんだろうな。