ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 嘘吐少年の狂日   ( No.139 )
日時: 2011/01/12 19:37
名前: 時雨 (ID: bQbYMR0G)

エピローグ


僕は十八歳になり高校に行ってたら卒業するころになった。
中退した僕は大学に入らず、神凰で働くことになった。
透がいたからかなりすんなりと。

僕はいつもどおりあの家に帰る。
二階には透の部屋があり、いつもカチャカチャとキーボードを叩く音が聞こえる。

「透?入るよ」
「どうぞ」

軽い声が聞こえてドアを開いた。
中にはやはり、キーボードを叩いている透がいた。

「お兄ちゃん、ニュースだよ」
「それを聞くために早く帰ってきたわけだからね」
「“猫”さんが今年の今から職を開始するって」
「へぇ、それはそれは」

あの時から透はあの人を“猫”と呼ぶようになった。
そして、あれ以来顔を合わしたこともない。

僕たちはあの人と完璧に縁を切ったのだ。
僕がここにいる限り、あの人はここの裏側で活動するだろう。

透は前より生き生きしていて、兄としてかなりうれしかったり。
夜鐘とも時々会う。
その度に嫌な顔をして、そして最後には「もう会わないだろう」と交わす。
だが、なぜか会う。

「でもそれでいいんじゃないかなぁ」

一言つぶやいて、部屋を出た。